滅紫

帰ってきた「マハーバーラタ戦記」ー吉例顔見世大歌舞伎

歌舞伎座に「櫓」が上がりました。恒例の11月顔見世大歌舞伎興行が始まっています。季節外れの夏日が続き「この気温だとまだ単衣だ」と思いながら流石に11月、袷に腕を通しています。積み物の酒樽の上に「大入」の札が乗っています。満員の客席です。昼の部は2017年に新作歌舞伎として初演された「マハーバーラタ戦記」の再演です。初日の3日前に菊五郎さんの出演が発表され、音羽屋さん三代の出演となり益々期待が高まります。

「マハーバーラタ戦記」はご存知の通り古代インドの神話的叙事詩。「古代インドの神々と人間界が交わり合う壮大な物語」で「象の国の王位継承争いに巻き込まれ、同じ母を持つ兄弟、太陽神の子「迦楼奈」(かるな)と帝釈天の子「阿龍樹雷」(あるじゅら)が雌雄を決する戦いへと。。。」(パンフより抜粋)というお話。

今回は構成も配役も一新。「迦楼奈」は菊之助さん、ライバルの「阿龍樹雷」に隼人さん、母の汲手姫(くんてい)に米吉さん。そして前回七之助さんが演じた鶴妖朶(つるようだ)王女に中村芝のぶさん。芝のぶさんは菊之助さんの新作歌舞伎「ナウシカ」や「ファイナルファンタジー」にも出演されていますが、今回はほとんど出ずっぱりで立ち回りもある役を生き生きと演じて大活躍です。

前回は太陽神は左団次さんだったな!などと懐かしく思い出しました。

 帰ってきた「マハーバーラタ戦記」ー吉例顔見世大歌舞伎

江戸時代の顔見世では11月からの1年間その座と契約した役者をお披露目していましたので、現在でも看板俳優が揃う演目がずらりと並びます。夜の部は仁左衛門さんの「松浦の太鼓」、時蔵・芝翫さんの「鎌倉三代記」です。

客席の熱気を背に劇場の外に出るとやはり11月、爽やかな風が通り過ぎます。

11月顔見世大歌舞伎は25日千穐楽(10,20日は休演)

昼の部「マハーバーラタ戦記」11時開演

夜の部「松浦の太鼓」「鎌倉三代記」「顔見世季花姿繪」16時30分開演

お問い合わせはチケットホン松竹0570-000-489(10時~17時)