みなとっこ日記 湊っ子ちゃんの星をたどれば
冬は星のきれいな季節。
夜空にうかぶ、星をかぞえる。
オリオン座のベテルギウス、
こいぬ座のブロギオン、
おおいぬ座のシリウス…。
大きな三角形がうかびあがった。
湊っ子ちゃんは、
まるで星を”歩いて”たどるように、
中央区の歩道に、たくさんの星をみつけました。
明石町。
聖路加ガーデンには、
アメリカ公使館跡の記念碑。
星条旗をデザインした盾に、五稜の星。
星のうえに、黄色い葉が舞い落ちた…。
明治8年から同23年まで、
この場所にはアメリカ公使館がありました。
外国人居留地の面影をつたえる、
数すくない遺構のひとつです。
隅田川テラスからみえる秋の水面は、
星を散りばめたように光ってる。
佃大橋は、反射した光を受けて、
波形の模様をまとってる。
イルミネイションみたい!
永代橋、清洲橋、勝鬨橋など、
花形揃いの中央区の橋のなかで、
佃大橋は、ちょっと目立たなくて
かわいそう。
でもね、
秋はちょっぴりおめかし気分。
秋はいちばんおしゃれな橋。
築地カトリック教会。
正面ペディメントに、
チューリップとバラの造形をもつ、
東京最古の美しい教会。
イエス・キリスト像の胸にも、
星が光ってる。
胸のなかの星を指さし、
私たちを導いている。
モミジバフウの落ち葉が、
こっちだよって、
星の道をつくってる。
みちびかれて歩いてゆくと、
あかつき公園の
メタセコイアの木立ちは、
もうすぐ黄金色に輝きだす。
湊一丁目。
南高橋のたもと。
ここには、オリオン座とさそり座がありました。
南高橋は、空をみあげる橋。
作家の永井荷風は、よく
南高橋から月をみあげた。
その頃は、
亀島川にはたくさんの船が停泊し、
湊まちの雰囲気が残っていた。
ちょっと前だけど、
雨のおおい季節でした。
勝鬨橋たもとの歩道に、
星型の金紙がいっぱい落ちていました。
こどもたちが飾った七夕のお飾りかな。
雨に濡れた歩道のかたすみで、
そこだけキラキラ光ってた…。
ほら、
聖路加ガーデンのエントランスには、
クリスマスツリーが飾られていたよ。
ここにもまぶしく光る星。
いろんな種類の星が輝いている。
そして…、
とっておきの、ひみつ。
アメリカ公使館跡の記念碑のなかに、
星が浮かびあがるんだよ。
星型にくりぬかれた部分に太陽があたると
なかの空洞が照らされるんだね。
すてきだね!
湊っ子がみつけたのは、夏の頃。
季節によって、星の形も、濃さも、角度も、
そして浮かびあがる時刻も変わる。
出会えたら、きっといいことあるかも。
中央区の冬ってあったかいね。
星をたどって歩くうちに、
じぶんだけの星座が描かれるよう。
それって、どんな星座かな?
名づけて…
大好き中央区座!
だけど、一番輝いている星は、
もっとすぐそばにある。
中央区に訪れるみんなの、
あふれる笑顔と、その気持ち。
冬のなかを歩こう。
そして、星座をみつけよう。
だいすきな町に。
だいすきな道に。
だいすきな中央区に。
中央区観光協会特派員 湊っ子ちゃん
第209号 令和5年11月29日