スーパー歌舞伎Ⅱ「新版オグリ」幕開きー新橋演舞場
今秋の話題作、スーパー歌舞伎Ⅱの第3作としてあの「新版オグリ」の幕が開きました。「オグリ」といえば平成3年(1991)に3代目の猿之助さんの手掛けたスーパー歌舞伎の中でも屈指の人気作ですが、今回は4代目の猿之助さんが脚本・演出を一新して取り組んだもの。主人公の小栗判官を猿之助さんと中村隼人さんのダブルキャスト、歌舞伎外からも浅野和之さんや石橋正次さんなどの参加も話題です。今日は「隼人版」です。
客席に入ると舞台の鏡と展示された衣裳が目に入ります。「撮影ご自由に」ということで私も了解を頂いてパチリ。幕開きの「鏡」は蜷川「十二夜」が印象的で記憶に新しいところですが、最初に使ったのは3代目の猿之助さんのこの「オグリ」です。ほぼ30年前ですから「斬新さ」「先駆性」にあらためて驚かされます。今日は最前列だったので、「本水除けのビニール」が座席に留められています。久しぶりで何だか嬉しくなってきました。係りの方の説明だと「若い俳優さんたちが多いのでノリが良過ぎて・・」3列目くらいまで飛んだとか。
「新版」と銘打っているだけあって、本筋は変わっていませんが、これは「オグリと6人の仲間たち」とでもいうべき「現代版」のオグリです。オグリと6人の仲間たちのいでたちはストリートファッション、テンポの早い殺陣と舞台装置の新鮮さ。「”自分たちが楽しければいい”という小悪党たちが人生を謳歌する真の意味に目覚めて行く物語にしたい。」と猿之助さんが語っています。
終幕での「歓喜の踊り」は舞台と客席のリストバンドの光が交差してLIVEのような興奮のるつぼ。これぞチラシのキャッチ「一期は夢よ。ただ狂え!」という閑吟集にある言葉通り。リストバンドを販売している(1000円です)のに気づかず、隣の方と「猿之助版」の時は忘れずに買いましょう!文句なく楽しめる新版オグリです。
「新版オグリ」11月25日千穐楽
交互出演なので日時をご確認の上、ご予約下さい。
チケットホン松竹0570-000-489(10時-18時)