吉例「顔見せ」興行が始まっています。歌舞伎座
朝夕冷え込みが厳しくなってきました。ひどい風邪で莟玉さんの襲名披露が話題の夜の部を見られず、今月初めての歌舞伎座、昼の部に出かけられたのは早半ば過ぎという有様。「満員御礼」がかかっているのはいつ見てもうれしいものです。
一幕目は幸四郎さんの「研辰の討たれ」。野田版で十八代目の勘三郎さんが演じたのがよく知られていますが、これも面白い。一幕目のあの研辰の口裂け男のチャラチャラした長台詞を楽しんでいる幸四郎さんが絶品です。(台詞量半端ではありません)仇討ち相手の彦三郎、亀三兄弟との「若いときは美男子と呼ばれた」とアドリブも「真面目に芝居をやりましょう」などと公演も終わりに近づいた余裕の掛け合いも見えます。逃げ回る研辰と追いかける兄弟が客席まで入り込んで30cmくらいまで3人に接近!これかぶりつき席のお得感を感じさせてくれます。
菊五郎さんの「髪結新三」、いいけど、顔見世に初鰹?などと生意気なことを考えていましたが幕が開けば菊五郎さんの「これぞ江戸の粋」に魅了されてあっという間に終幕。庭の水やりを縁側でただ眺めているだけなのになんともいい姿。
夜の部は「菊畑」幸四郎さん染五郎親子の「連獅子」池波正太郎作の「市松小僧の女」です。
千穐楽は25日 お問い合わせはチケットホン松竹0570-000-489まで。