大木唐からし店
● 両国橋西詰の下流側に「大木唐からし店」という小さなお店があります。
ガラス戸を開けて一歩店内に入ると、それ以上は進めない狭さです。後ろにもう一人立つスペースはなく、目の前にはガラスケースが迫ります。
今回のお話は、お店のご高齢のご婦人とその娘さんらしき女性のお二人にお聞きすることができました。もちろん「七色唐からし」も購入させていただきました。
七味唐辛子発祥の地!
◀大木唐からし店界隈(中央区街歩きマップアプリより)
● 江戸の薬研堀町(後に両国、現在の東日本橋)は、「七味唐辛子発祥の地」と言われています。この地域には医者や薬問屋を営む者が多く、別名「医者町」で通っていたそうです。
寛永2年(1625)この地において、からしや徳右衛門という人が漢方薬をヒントに生薬を組み合わせて七味唐辛子を売り出しました。七味唐辛子は人気を博し、同時に徳川将軍家の献上品になったことが、江戸で「七味唐辛子と言えば薬研堀」と言われるようになった所以です。
当時は薬効が期待され、寺社の門前で売られることが多く、やがて江戸の食文化の伝播と共に日本全国に広まっていきます。
● 現在「やげん堀」の商標を持つ唐辛子店は、昭和18年に浅草に店を移して2店舗を展開しています。
※商標権により、大木唐からし店をはじめ他店では「やげん堀」のコピーは使えないそうです。
そして、七味唐辛子発祥の地である薬研堀界隈に今なお1軒だけ残る老舗が、この「大木唐からし店」なのです。
大木唐からし店の「七色唐からし」
▲七色唐辛子の原材料(左)とガラスケース内の唐辛子容器
● 大木唐からし店では創業当時から、一般的な七味唐辛子とは言わず「七色唐からし」と呼んでいるそうです。
● 味は「小辛」「中辛」「大辛」の3種類を基本にしていますが、お好みの味に調合してもらえます。七色だけでなく、六色、五色にすることも可能だそうです。
● 25グラム200円(税別)から小売りしており、別売りの容器(缶筒・木製筒・瓢箪)に入れてもらうこともできます。
▲原材料の単品売りもしています。
お土産に最適!
▲25g唐辛子袋(左)と包装袋(3つ買いました)
● 今回私は「中辛で陳皮(みかんの皮)多め」を3つ注文。その場ですぐに調合してくれます。
何度か配合を変えて注文しながら、自分に合う味を見つけていくのも楽しみの一つと言えるでしょう。
▲25g用の缶も購入(缶はデザインに関わらずオール370円でした)
● 紙袋を通して唐辛子のいい香りが鼻を突きます。スーパーなどで手軽に買える市販品と比べ、圧倒的に香りがいいです。そして味も良し!
● 大木唐からし店の「七色唐からし」は、お土産にも最適だと思います。
菓子や総菜に比べ保存がきき、添加物ゼロ。あって重宝な常備品として喜ばれます。
さらに差し上げる方のメリットも多く、まずなにより軽いこと。一袋25グラム、大きくても100グラムほど。その上かさばらないので、勤務先や知人に配るにも最適。
七味唐辛子発祥の地で購入する「七色唐からし」は、まさにお土産としておススメの逸品と言えます。
店舗情報
【 店舗名 】大木唐からし店
【 住 所 】東京都中央区東日本橋2-21-6
【 TEL 】03-3851-8412
【営業時間】9:00~18:00
【 定休日 】日曜日・祝日