Silver Fox 007

佃茂のふりかけ

友人にちょっとしたお土産を渡したいときに、私が迷わず選ぶ一品・逸品を紹介させていただきます。
それは佃茂のふりかけです。

佃茂さん

佃茂さん 佃茂のふりかけ

築地本願寺の正門前の新大橋通り沿い、右手にちょっと進んだところに、石の支柱のような看板が人目を引きます。シックな店構えは、安政3(1856)年創業の佃煮の佃茂さんです。佃煮といえば佃島ですが、幾多の名店の中でも私のお気に入りは築地にあるこの佃茂さんです。
ショーケースのお土産用の箱詰めにも気を引かれつつ、私が目指すのはケースの上に鎮座する「佃茂のふりかけ 和」。このお品に気づいたのは「佃煮屋がつくったふりかけ」というキャッチコピーが最初のきっかけだったと記憶しています。以来、ふりかけ一筋。我が家の定番はもちろん、友人や郷里への手土産に重宝しています。

お気に入りの理由

お気に入りの理由 佃茂のふりかけ

なぜお気に入りかというと、まず当然ながら、美味しいから! 中身はアミ、シイタケ、昆布に白ごまが加わった最強の佃煮ミックス。甘さ辛さのバランスも絶妙で、載せても混ぜても、温かい時も冷めた時も、白いご飯がもりもり進みます。

次に持ち運びの手軽さ。パックなので汁漏れや匂いを気にすることなく持って行けます。持って行く方も受け取る方も、バッグの中にポンと入ります。開封後の保存も簡単便利。

そしてサイズ。お土産にはせっかくならいろいろな種類を組み合わせたいと悩みますね。差し上げる先が私と同世代では二人暮らしか一人住まい。となると、たくさんだと食べきれないということになってしまいます。お裾分け文化も廃れた昨今、佃煮ミックスで食べきれる量、というのはありがたいのです。つい先日発見したアミの小分けパック5個入りも、少量食べきりサイズという意味では大変ありがたいお品です。

我が家の定番

我が家の定番 佃茂のふりかけ

このふりかけが我が家の定番になるずっと以前から、佃茂さんに由来する定番がありました。

私が嫁いできて間もなくだったと思いますが、義母が知人からいただいた(と思われる)佃茂さんの佃煮詰め合わせを分けてくれました。その容器がこの桶です。長径29.5cm、短径22.5cm、高さ6cmのサワラ(椹)材で、銅のタガがかかっています。あまりにも立派な容器で捨てるにしのびなく、以来(もう三十数年かな?)飯台として使っています。我が家の手巻きずしになくてはならぬ定番アイテム、子供たちがいた頃は別容器も使いましたが、二人暮らしの現在はちょうどいい大きさ。「佃茂」の焼き印もいまだに鮮やかで、乾燥させすぎてタガが外れたことがありますが、ちゃんと復旧しました。サワラ(椹)は、耐水性があり、軽量で、木そのものの臭いも少ないということをお店の方に教えていただきました。

 佃茂のふりかけ

容器のことを意識しないで佃茂さんに寄るようになったのですが、不思議なご縁だったなと思います。このことをお店の方にお話ししたところ、新大橋通りを新富町の方へ進んだ北側、今の築地2丁目あたりにあった桶職人さん・桶仙というお店で作ってもらっていたと教えていただきました。桶仙さんが辞められてからはもう、こういう容器は使っていないとのことでした。我が家の飯台、本当は盤台というそうです。大切に使っていきます!

第二次世界大戦のため7年間の休業を余儀なくされたそうですが、昭和24(1949)年に現在のお店で再開されたとのお話も伺い、佃伝統の味を末永く、広く伝えていかれることを願って、この日もふりかけを買って帰りました。

なお、お店の詳しいご紹介・商品については https://tsukumo.ocnk.net/ をご覧ください。
佃茂さんよりいろいろと教えていただいた上に、写真撮影とブログ掲載の許可をいただき、感謝です。