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重要文化財【 日本橋髙島屋 】の魅力(1)
本館外観と正面口玄関

江戸時代末期に京都で創業した髙島屋は、明治23年(1890)に東京へ進出、日本橋の現在の地に店舗を構えたのは、昭和8年(1933)です。

全館冷暖房装置を備え、その宣伝コピー「東京で暑いところ、髙島屋を出たところ」は、一世を風靡しました。

「東洋趣味ヲ基調トスル現代建築」のテーマのもと、高橋貞太郎の設計案が採用され、西洋式のルネサンス風に和風も取り入れた様式建築となっています。

その後、近代建築の手法を取り入れた村野藤吾設計による4次の増築を重ね、昭和40年(1965)には一街区を占める規模の店舗となりました。

そして、増築を含めた一体の建築作品として高く評価され、平成21年(2009)百貨店建築として初の重要文化財に指定されています。

 

 重要文化財【 日本橋髙島屋 】の魅力(1)
   本館外観と正面口玄関

中央通りに面する西側外観は、昭和8年竣工時の威容を残しており、19世紀欧米の古典主義の立面三層構成に範をとったものです。

基部(1,2階)、中間部(3~7階)、頂部(8階)の各層が  2:4:1 のプロポーションを誇っています。

基部は花崗岩仕上げで角柱による列柱、3階と6階には装飾的なバルコニーが設けられ、頂部には三連アーチ窓が並びます。

 

 

 

 重要文化財【 日本橋髙島屋 】の魅力(1)
   本館外観と正面口玄関

建物南側を展望すると、中央通り側の昭和8年当時の建物(写真左側)に加え、第1次増築(右側)、さらに第3次増築部分の建物が西側に続いています。

増築部分は、ガラスブロックによるカーテンウオールが特徴的です。

 

 重要文化財【 日本橋髙島屋 】の魅力(1)
   本館外観と正面口玄関

 

そして、第1次増築建物の5階バルコニーには、笠置季男創作の塑像が認められます。

 重要文化財【 日本橋髙島屋 】の魅力(1)
   本館外観と正面口玄関

本館正面口玄関に入ると、壁に壁泉(水のみ場)跡が残っています。

また、鉄製の外扉(右側)は、昭和20年の大空襲時、建物内部への延焼を食い止めることに貢献したそうです。

 重要文化財【 日本橋髙島屋 】の魅力(1)
   本館外観と正面口玄関

欄間の飾りの意匠も特徴的です。

そして、付長押には、「釘隠し」風の金具が並びます。また、右側の柱頭には雷紋風の意匠がみられます。