なんと銀座に番外地がある(後編)

さて前回、「銀座は四方を川に囲まれていた土地だったが、瓦礫処理で全部埋められてしまった」ことを書きました。

同じ写真を再掲します。

 

 なんと銀座に番外地がある(後編)

右側の三十間堀川以外の、「外堀」「京橋川」「汐留川」の跡地は高速道路になっていることにお気づきでしょう。
高速道路なので、地面ではなく建物の屋根を高架としては走ってます。
この建物は「東京高速道路株式会社」が運営しテナントを入れてます。

外堀跡には「銀座INS」「西銀座デパート」「銀座ファイブ」、という商業施設があり、汐留川跡地は「GINZA9」として営業してます。

地図の写真、外堀と汐留川が交わるあたりに土橋交差点があります。

 なんと銀座に番外地がある(後編)

そのあたりの外堀跡に建つ「東京高速道路西土橋ビル」。住所は「中央区銀座八丁目3番先」とのこと
こちら下の写真です

 なんと銀座に番外地がある(後編)

お隣は「東京高速道路山下ビル」、住所は「中央区銀座八丁目2番地先」

 なんと銀座に番外地がある(後編)

「先」ってなんじゃいw

はい。ここが本題の番外地です。つまり住所が未定のまま

なんで?

埋め立て前の外堀は、堀の中央部分で中央区と千代田区を分けていました。
川なので、当然住所がありません。

埋め立てたころに土地ができて建物を建てたが、土地の帰属問題で両区間で合意ができず、ずるずると現在に至ってしまい、住所も不定なままとのこと。とはいえ土地の管理や税金が発生するわけで、どちらかの区を選んで住所登録を自己申告しているとのことです。

そして汐留川の跡地には銀座ナインがありますが、同様に汐留川の中央部分で中央区と港区を分けていました。
銀座ナイン(架空の9丁目を意味しているのでしょう)の建物の住所表示も撮りました

 なんと銀座に番外地がある(後編)
 なんと銀座に番外地がある(後編)

こちらも番外地。同様「先」で濁してます。

今回、現地確認して気づいたのですが、先ほどのコリドー街にある「東京高速道路山下ビル」はJRの高架と隣接してますが、隣接面、地上より下がってます。外堀を埋めたのではなく、外堀の底面に建物を建てたようにも想像できます。これは憶測です。

右側がJR高架、左側が外堀跡に建てられた東京高速道路のビルです。

 

 なんと銀座に番外地がある(後編)

以下反対側から撮った写真。地面の位置から下っているのがわかるでしょう。

 なんと銀座に番外地がある(後編)

ちなみに今回住所不定の建物を所有している東京高速道路が運営する
高速道路KK線は2025年4月5日をもって閉鎖されました。

6年前にこのブログでKK線について書かれた記事を発見したのでご参照の程

 なんと銀座に番外地がある(後編)
 なんと銀座に番外地がある(後編)
 なんと銀座に番外地がある(後編)

以下東京高速道路サイトより引用

「今後、KK線を歩行者中心の公共的空間に再生する取組みを本格化するにあたり、4 月 18 日に開催した車のための空間から人のための空間への交代式「KK線リボーンセレモニー」において、プロジェクト名称「RoofPark Project」、プロジェクトコンセプト「みんなでゆっくりつくる未来」を発表しました。」

なんか、これからが楽しみです!

参考文献
谷川彰英『増補改訂版 東京「地理・地名・地図」の謎』(じっぴコンパクト新書)

 なんと銀座に番外地がある(後編)
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 なんと銀座に番外地がある(後編)
 なんと銀座に番外地がある(後編)