Hanes

東京高速道路の過去・現在・未来


こんにちは。アクティブ特派員のHanes(ハネス)です。
突然ですが、皆さんに質問です!
「中央区内に無料で走れる高速道路がある。〇か×か?」と言ったら、皆さんはどちらの選択肢を選びますか?

東京都内には言うまでもなく首都高速道路が通っており、東京にお住いの方やお勤めの方は、帰省時や出張時に利用したことがあるのではないかと思います。
首都高速道路は勿論有料なので、「答えは×!」と即答したくなるところですが、ちょっと待ってください^^
実は無料で走れる高速道路があるんです!

今春、前の職場の車で千代田区まで連れてきていただいた際、よく世間話をしていたお茶目な運転手さんがこんなことを話し始めました。
「Hanesさんのお住まいは中央区でしたよね?それなら、このことはご存知ですか?」
そして何の前置きもなしに、急に高速道路の入口へ。

 東京高速道路の過去・現在・未来

 

当時無料の高速道路の存在を知らなかった私は、「お隣港区まで高速を使って連れて行ってくれるなんて、なんて太っ腹な会社なの」と思う一方、「高速を通って帰るほど急いでいないのに、高速料金が発生したと交通費として請求したら怒られるかしら」と冷や冷やしたものです(笑)
しかし、そんな高速道路の旅もあっという間。
景色を楽しむ暇もなく、まち歩きで見慣れた銀座八丁目あたりで出口へ。
訳が分からなかったのですかさず質問すると、「銀座の一部の区間は無料で走れるんだよー^^」と笑いながら教えてくださいました。

早速詳しく調べてみると、その高速道路の正体は首都高速道路ではなく「東京高速道路(通称:KK線)」と呼ばれる2kmの短い道路!
遡ること1951年12月、財界人23名が発起人となり、銀座の復興と交通量の緩和を目的として東京高速道路株式会社が設立されました。
東京高速道路株式会社のウェブサイトによると、「銀座周辺の外堀、汐留川、京橋川を埋め立てて高架による自動車専用道路(通行料無料)を建設し、その建設費と運営費をビル賃貸収益で回収するという運営の仕組みは、今日のPFI(Private Finance Initiative)の先駆けともいえる画期的なアイデア」で、「道路事業による公共性不動産賃貸事業による民間性を併せ持つユニークな事業形態の会社」とのこと。(この特徴は、以前夜行列車さんが取り上げていらっしゃいました。あわせてご覧ください。)
2kmのみの無料区間があることを不思議に思っていましたが、戦後の復興の中、急速に発展したまち銀座の時代性を反映した道路だったのですね^^

そのような過去を有する一方、11月4日に添乗した「中央区まるごとミュージアム」のバス内でもご紹介しましたが、先月21日、山本泰人中央区長がこの東京高速道路の緑化・遊歩道化計画を公表しました。(参考:日本経済新聞「銀座の高速、緑の遊歩道に 中央区が東京都に提案 」
区長が小池知事と会談した際には、「ニューヨークのハイラインのように、人でにぎわう緑のプロムナードにすることを願っている」と述べたといいます。

 東京高速道路の過去・現在・未来

(ニューヨークのハイライン/著作権フリー素材使用)


距離も廃線跡を利用したハイラインと同じくらいでちょうどよく、実現したら都心の貴重なオアシスとなり、中央区内の緑被率がますます高まること間違いなし!
というわけで、東京高速道路が遊歩道になったらどのような景色が楽しめるのか、未来を見に行く気分で実際に東京高速道路を走ってみました♪

今回走ったコースは、(往路)西銀座~新橋(復路)新橋~新京橋間です。(写真は復路(未運転時)のものを使用しています。)
入口は通常の高速道路の入口とさほど変わりませんが、目印は「東京高速道路(D8)」と書かれた青い標識です。
高速道路ではありますが、緑色ではないんですね!

 東京高速道路の過去・現在・未来

(新橋入口)


では、いざ東京高速道路へ!
料金所を通らずに走ることができるうえ、首都高速道路から乗り継ぐ方は一旦料金所で減速するため、通常の高速道路程合流に心配せずに走り始められました。

 東京高速道路の過去・現在・未来

 

お隣港区新橋の第一ホテル東京を正面に見ながら走る途中、右側の銀座八丁目の建物が少し楽しめます♪
丹下健三氏が手がけたユニークな外観の静岡新聞・静岡放送東京支社ビルを比較的近くで見ることができたのは嬉しかったです!
(本ビルの詳細は、先輩特派員ジミニー☆クリケットさんの記事でご覧ください。)

 東京高速道路の過去・現在・未来

 

そして、カーブ後少し走ると、右側に数寄屋橋周辺の建物が見えてきます。
天井高約27mで、地上階から見ても圧巻の東急プラザ銀座キリコラウンジは、いつもより近くで見たためか、より江戸切子らしいデザインだと感じることができ、不二家の並びでは、普段あまり注意して見ない建物上部の看板もじっくり見ることができました。
また、この辺りを往路(西銀座~新橋)で通過した際に、賑わう晴海通りの様子を眺めることもでき、これは緑のプロムナードに進化したら色々と見どころがあるのではないかと期待が高まりました♪

 東京高速道路の過去・現在・未来

 

その後はトップの写真にあるように、マロニエゲートの建物等を含む景色をいつもより高い位置から楽しみ、つかの間の東京高速道路走行が終了。
出口も分かりやすく、誤って首都高に入る心配もありません!

 東京高速道路の過去・現在・未来


高速道路という名前ではあるものの、法定速度は40km
そのため、通常の高速道路でイメージするより長い時間2km程の風景を楽しむことができたのもまた事実です。
普段走行する機会はなかなかないと思いますが、今後はドライバー以外も気軽に利用することのできる憩いのエリアになる可能性があります。
そんな日が来ることを夢見て、今日も「今しか見られない」銀座のまちを歩きたいと思います♪