明日へ飛立つ、若木たち
「選手村ビレッジプラザ」は、中央区晴海に建設された東京2020オリンピック・パラリンピック選手村に付帯した交流施設です。
ビレッジプラザ内にはメデイアセンターの機能をはじめ、銀行、郵便局、宅配便、クリーニング、雑貨店、カフェなど選手村での生活に潤いを添える諸施設が設けられていました。
建物の顕著な特徴は、建築物の骨組みが全国の自治体から提供された、約4万本の木材により形成されていたことでした。
今、役割を終え、建物の解体が進んでいます。
集められた木材は、東京2020オリンピック・パラリンピック大会のエンブレムが刻印され、提供された自治体への返却が始まっています。
建設に向けて全国63の自治体から集められた木材が、世界のアスリートのための活動に使用され、そしてまた、ふるさとへ戻っていく。
オリンピック・パラリンピックの記憶を深く刻んだ木材が、ふるさとで再活用され、大会を語り継いでいく材料となっていくのです。
切り立ての木材が放つ、強い樹木の香りが辺りを包んでいました。
もうすぐ新しい街が
選手村の建物も、新しいマンションとして人が住まい、もうすぐ新しい街ができあがっていきます。
大会開催中の選手村の様子を、私たちは直接知る事ができませんでした。
たとえば食堂の様子など、競技に向かうアスリートにとって重要な要素であるだけに、興味あるものでした。
コロナ禍という状況下で、批判的なコメントが出るたび、違和感を持ちました。
日本の料理人が、良質な食材と、技術と知恵と時間とプライドをかけて作った料理が、食べる人達に伝わらないはずがない。
メイン食堂は24時間開いていました。
日本、アジア、ワールドなど細分化されたエリアで約700種類のメニューが選べます。
ベジタリアン、グルテンフリー、ハラルなど多様な食文化にも対応。
豊富な種類のフルーツやスイーツのコーナーも設置。
1日およそ48,000食が提供されました。
「色んな種類の食事を楽しんだ」「デリシャス」「おもてなしに感激」、選手達の具体的な反応が、疑問や不安を払拭してくれました。
感染対策で制限が多い中にあって、ほっとできる空間をも担ったようです。
餃子や和菓子に関する評価が、特に高いようでした。
メチャ旨かったという餃子。ぜひ食してみたいものです。
開催されて良かった
※ 東京アクアティクスセンター(江東区辰巳)、水泳関係競技の熱戦が繰り広げられました。
ボランティアの活動が中止または制限された中で、臨時の活動として、羽田空港で出国する選手や大会関係者のお見送りがありました。
「開催されて良かった。日本でなければ開催はできなかったでしょう。本当にありがとう。」
報道関係と思われる方の言葉でした。
諸活動が制限されてしまった事でジリジリしていた我が身には、とても染み入りました。
スタジアムで観戦した記憶
※ オリンピックスタジアム(新宿区霞ヶ丘町)国立競技場。開・閉会式や陸上競技、サッカーが実施されました。
オリンピックスタジアム周辺で、学校連携観戦の参加者への感謝を伝える活動にも参加できました。
その日は、パラリンピックの陸上競技決勝が行われたプログラムでした。
「凄かった。かっこ良かった。」「何か、感動した。」「もっと見たいと思った。」
生徒さん達がスタジアムで感じた素直な感想でした。
2021年のこの夏に、スタジアムに居たという揺るぎない事実は、強く記憶に残るでしょう。
そして、パラスポーツに向けた関心、理解は確実に深くなったことでしょう。
次の五輪は、君が主役だ!
フリップに書きました。
気がついた生徒さんは、むりむりという様なリアクションをしました。
でも、私は確信しています。
※ 有明アーバンスポーツパーク(江東区有明)
真夏の大冒険を繰り広げた選手達の年齢は、皆さんと違わない。
パラリンピック水泳競技のメダリストの年齢も、君と同じだよ。
次の主役は間違いなく、あなた達です。