中央区の名建築(9)カトリック築地教会聖堂
カトリック築地教会聖堂(明石町5-26)は、長崎・横浜に次ぐキリスト教会として明治7年(1874)に築地外国人居留地内に仮聖堂が建設されました。
明治11年には、煉瓦造りの本格的な聖堂が建てられましたが、大正12年の関東大震災により焼失、
昭和2年(1927)に、現聖堂が竣工しました。
教会としては珍しいギリシャ神殿パルテノン様式ですが、石造りではなく、木造モルタル塗の建物です。
正面にはドリス式の円柱が6本並び、ペディメント(三角破風)には、バラとユリの彫刻がなされています。
聖堂内部
聖堂内部は、両側の側廊をドリス式円柱で区分し、中央部は天井を高くする教会堂形式となっています。
聖ペテロ像
聖堂の入口右にある立像は、キリストの十二使徒の一人である
聖ペテロ像です。
説明板によれば、1878年に他の3人の聖人像と共に聖堂内に置かれましたが、1923年の関東大震災で聖堂が焼失、この聖ペテロ像だけが残ったとのことです。
銅製の洋鐘 「江戸のジャンヌ・ルイーズ」
構内に入る扉のすぐ右側には、1876年にフランスで鋳造された銅製洋鐘が展示されています。
この洋鐘は、当時の司祭・ルマレシャル神父が「江戸のジャンヌ・ルイーズ」と名付けた歴史ある鐘です。