しばしばしばた

中央区は日本一の「ジャンクション銀座」だった!

中央区の街、とくに隅田川右岸の日本橋地域や京橋地域を歩いていると、高速道路を多く見かけます。
水運に支えられていた中央区の街はかつて水路が張り巡らされていましたが、戦後の高度経済成長期にその水路空間を使って高速道路が整備された…というのが、その理由の1つと言えるでしょう。
水に囲まれた街は、高速道路に囲まれた街へと変貌しました。

網の目のような水路の上に敷かれた高速道路は、必然的に分岐がたくさん作られました。いわゆる「ジャンクション」というものです。
…そう考えたときに、中央区は日本有数のジャンクション密集地帯なのではないか?という興味が湧いてきました。思い立ったが吉日、独自に調査してみた結果をご紹介します!

気になる調査結果は…

気になる調査結果は… 中央区は日本一の「ジャンクション銀座」だった!

調査は、国土交通省のオープンデータを使って市区町村ごとにジャンクションの数を集計する形で実施しました。(市区町村境界付近に立地しているジャンクションについては、ジャンクションを構成する部分が境界を跨っていないか個別に判断し、跨っている場合は両方にカウントしています。)

その結果をまとめたものがこちらの表になります。
なんと、中央区は日本で一番ジャンクションの数が多い市区町村であることが明らかになりました!
まさに日本一の「ジャンクション銀座」です。

中央区に立地するジャンクションの数は7つ、うち4つは隣接する区の境界線を跨いで設置されており、水路の空間を利用して造られたという特徴がここにも現れています。

中央区内にたくさんあるジャンクションを鑑賞してみよう

さて、区内の高速道路は、水路を閉ざし街を分断した…ということで、まちづくりの上では悪者として扱われてしまうことが多く、一部区間では地下化や公園化に向けた計画が進められています。
一方で、ジャンクションなどの複雑な構造美を評価する意見もあって、写真集が出版されるなど盛り上がりを見せており、海外の方からも人気があると聞いたことがあります。
地下化や公園化の議論は前向きに進んでいるので、私はこの「ジャンクションを見て楽しもう」という視点を敢えてもっと広めたいと思っています。
そこで、今日は区内を代表する2つのジャンクションをご紹介したいと思います!

区内のジャンクション紹介(1) 江戸橋ジャンクション

区内のジャンクション紹介(1) 江戸橋ジャンクション 中央区は日本一の「ジャンクション銀座」だった!

1つめは、「江戸橋ジャンクション」です。(画像出典:国土交通省「PLATEAU VIEW」より出力)

日本橋川と旧・楓川の交差部を利用したT字の分岐で首都高都心環状線と6号向島線が接続、さらに昭和通り上を走る首都高速1号上野線が北側から接続しています。
日本橋川がこの付近で湾曲しているのがミソで、そのおかげで、上空から見た江戸橋JCTは噴水のような美しい曲線を描いています。
この曲線美と、多層に分かれた複雑さを有し、ビルの間を縫うように走る江戸橋JCTは、全国に数あるジャンクションの中でも特に人気が高いのではないでしょうか。

 中央区は日本一の「ジャンクション銀座」だった!

江戸橋JCTの形を感じようと思うと、この記事の冒頭に使った写真のように、日本橋川の上から眺めるのがオススメです。
ただ、船に乗る機会は中々無い…という方もいらっしゃると思います。そんな方にオススメのビューポイントは、江戸橋北交差点からの眺めです。江戸橋北交差点は首都高速1号上野線がS字カーブを描いて分岐していく真下にあり、江戸橋JCTの曲線美と多層性の両方を感じることができます。夜になると高架の裏側に下層を走る車のライトが反射し、見ていて飽きません。

区内のジャンクション紹介(2) 箱崎ジャンクション

区内のジャンクション紹介(2) 箱崎ジャンクション 中央区は日本一の「ジャンクション銀座」だった!

本日もう一つご紹介するのは「箱崎ジャンクション」です。(画像出典:国土交通省「PLATEAU VIEW」より出力)

旧・箱崎川と旧・箱崎川支川が分岐する場所を利用したT字の分岐で、6号向島線と9号深川線が接続しています。そのほかにも箱崎出入口、浜町出入口、清洲橋出口が接続し、空港リムジンバスのターミナルであるT-CATや、小さなパーキングエリアも併設された極めて複雑な構造になっています。複雑すぎるため、ジャンクションの中層部にはロータリーも設置されています。

 中央区は日本一の「ジャンクション銀座」だった!

そんな複雑な箱崎ジャンクションですが、箱崎川支川を埋め立てた地上部が一般道になっているため、真下を歩くことができます。
いくつにも分かれる分岐を真下から眺めるのがオススメのビューポイントです。

さいごに

一般的にも知名度の高い二大巨頭をいきなり紹介してしまいましたが、ジャンクション鑑賞の魅力が少しでもお伝えできたでしょうか・・・?
今後、区内の残り5つのジャンクションもご紹介していきたいと思います!
読者の皆さんも、是非中央区内のジャンクションをじっくり鑑賞してみてくださいね。