2022 薫風にたなびく「鯉のぼり」
今日、五月晴れの空に薫風、鯉のぼりがたなびく景観は「端午の節句」に欠かすことができない風物です。端午とは、月の初めの午の日という意味で、古来、中国では、5月が特に災厄の月とされ、 この日を物忌みの日として身を清める慣習がありました。 昔から薬草として用いられ、病気や災厄を払うとされた菖蒲を、髪に挿頭(カザ)したり(菖蒲鬘)、枕の下に敷いたり(菖蒲枕)、軒先にさしたり、菖蒲湯に浸かったり、蓬とともに球状に編んだ「薬玉」を飾ったりと、邪気払いの呪(マジナ)いとしました。 武家政権が誕生すると、菖蒲は尚武に通じるという事で、戦陣に使われた幟旗(吹き流し)を家に立てたのが鯉のぼりの起源とされます。武を尊ぶ「尚武」にかけて男児の祝い日となり、戦後、子供の健やかな成長を願う「こどもの日」として祝日に制定されました。 中国に、「黄河の上流にある "龍門" という滝を昇りきった鯉は、龍になり、天に昇ることができる」との伝説があり、龍は皇帝のシンボル、"鯉の滝昇り" は立身出世の象徴と伝わります。 江戸時代、武具を奥座敷に、幟旗を戸外に飾り立てた武家に倣い、庶民の間に五月人形の飾りや、出世魚であり、「腹·胸に一物もない」"鯉" のぼりの打ち立てなどの風習が広まったとされます。 佃公園の吹き抜けの "いけす" を風を孕んで生き生きと鯉のぼりが泳ぎ、3年ぶりに新型コロナウイルス感染症対策の規制がないGW前日の園内では、アフタースクールの学童が走り回り、弾んだ声が響き渡っています。