間近で鑑賞!東京長浜観音堂で奥深い観音像の世界へ
こんにちは。Hanesです。
中央区内には、アンテナショップをはじめとし、日本各地の情報や名物を入手できるスポットがいくつも存在しています。
その中で、会期ごとに異なる観音さまを拝むことができる東京長浜観音堂はご存じですか?
「観音堂」という名前ではありますが、長浜市内の情報も入手できる施設となっており、東京駅や日本橋駅からほど近い八重洲セントラルビル4階に入っています。
中央区に引っ越してきて6年になりましたが、こうして時としてまだ訪れたことのないスポットに出会えることも、果てなき探求心をそそる中央区の魅力です。
前置きはこのくらいにして、早速エレベーターに乗り、ビルの4階まで進んでみます。
すると、一角に「東京長浜観音堂」の場所を示す移動式看板を発見!
知る人ぞ知る隠れ家のような雰囲気があり、どきどきしながら観音堂へと足を踏み入れます。
入口そばの壁にかかる「長浜観音堂 ごあいさつ」によると、「観音の里」として知られる滋賀県長浜市は、平安時代から仏教文化が栄え、今もなお市内には100を超える観音像が点在しているようです。
しかし、観音文化の保存・伝承に尽力する方々の高齢化という課題に直面。
そこで、観音文化の魅力を発信するとともに、支援者・協力者の輪を広げるという目標のもと、2年前の2021年7月に東京長浜観音堂がこの地に開設されました。
通常は現地まで足を運ばないとお目にかかれない歴史ある観音さま等が、約1ヶ月ずつの年4回東京で公開されています。
私が初めて訪問した2023年6月半ばには、長浜市高月町横山にある横山神社の馬頭観音立像(長浜市指定文化財)が展示されていました。
平安時代末期(12世紀ごろ)の作と推定される木像で、像高は99.6cmにおよびます。
そして、横山神社は推古天皇の時代から続くとされる長い歴史のある神社。
現在この観音さまは高月観音の里歴史民俗資料館に寄託されており、毎年観音の里ふるさとまつり当日の1日のみ神社にお帰りになり、地元の方々の手によって公開されているそうです。
中央区内には何体もの観音さまが祀られていますが、たいていやや薄暗い本堂の奥の方におり、間近でお姿を拝むことはかないません。
しかし、ここ東京長浜観音堂では、ガラスケース越しではありますが、こんなに間近で精巧に彫られた観音さまを思う存分鑑賞することができるのです!
さらに、観音さまのお背中まで見られます!
このような機会はほとんどないといっても過言ではないと思います。
ヒノキの一材を使い、900年程前には既にこのような見事な曲線を形にしていたとは、当時の技術力の高さに驚かされますね。
日本各地には千手観音を祀ったお寺などがあまた存在していますが、私の場合、数が多いとどうしてもさっと見て通り過ぎてしまいがち。
しかし、本観音堂にお出ましになる観音さまは会期ごとに1体のみということで鑑賞対象が絞られ、ゆっくりじっくり観音像の奥深さに浸ることができます。
とはいえ、観音像に造詣が深いわけではありません。
どこをどう鑑賞してよいのか分からない一方、手にお持ちになっているものは何で、それぞれにどのような意味や願いが込められているのか、彫刻にどのような特徴があるのかなど、気になることは次から次へとわいてきます。
そんな疑問を解決してくれるのが、どなたさまにも分かりやすいよう専門用語にふりがなをふり、それがなんであるかを説明した案内板と解説シート。
基本的なものから学術的なものまで、観音さまに関する情報が充実しています。
そもそも、馬頭観音という言葉をよく耳にしても、特徴については漠然としたイメージしかもっていないこともあるのではないでしょうか。
馬頭観音とは、頭上に馬の頭をいただき、三面八臂(さんめんはっぴ/3つの顔と8本の腕)をそなえ、忿怒(ふんぬ)の相を示す特異な観音菩薩のこと。
6月に東京にいらしていた観音さまがどのような経緯で横山神社に祀られるようになったのかも、本観音堂で知ることができました。
今回は離れた長浜の地に思いを馳せるのみでしたが、滋賀県を訪れた際には、こうして知ることのできた観音さまに会いに行ってみるのも一興。
また、長浜市の観光情報が充実した冊子や今年注目されているイベントのチラシも配布されています。
今年は、浅井長政が治めた北近江を羽柴秀吉が引き継ぎ、長浜の町が城下町として発展する契機になった年から450年にあたる記念すべき年。
そこで、長浜では12月までの間「長浜450年戦国フェスティバル」が開催されているようです。
さらに、本観音堂内では、小谷城跡など市内の史跡や観音像を紹介する映像が上映されているほか、自由に手に取って楽しめる観音さまおよび長浜関連書籍も取り揃えてあります。
こぢんまりとした一室にありながら、無限大の楽しみ方がありますね。
今回は昼休みを利用して訪問させていただいたのですが、静かな空間で長浜が誇る歴史と観音像の世界に没入でき、しばらく東京にいることを忘れてしまうほどでした。
JR東京駅 八重洲北口より徒歩5分、東京メトロ日本橋駅B7出口より徒歩5分というアクセスの良さもあり、東京駅や日本橋駅周辺で気軽に訪れられる場所を探している方におすすめ!
また、観音像というと神社仏閣巡りに興味を持つ年齢の方が対象かと思いますが、実はおこさま連れでも楽しめるよう仏像の塗り絵が用意されることもあるそうです。
これは大人でも塗りたくなってしまいますね。
さらに、ご来場の皆様にお土産があり、お出ましになっている観音様のカードと解説シートがいただけます。
近年は「マンホールカード」や「ダムカード」が流行っていますが、ありがたみのある「観音さまカード」はいかがですか?
私自身、異なる観音さまがお出ましになるたびに本観音堂を訪問し、カードを集めたいと思っています。
ここまで東京長浜観音堂の魅力をお伝えしてきましたが、特派員目線のおすすめポイントを3つにまとめると以下の通りです。
1.歴史ある観音像を間近で心ゆくまで楽しめる
2.東京に居ながらにして長浜が誇る昨今の文化にふれられる
3.中央区内のハブ駅からのアクセスが良く、気軽に訪問できる
令和5年の第2回会期は8月1日~31日で、長浜市余呉町国安・国安自治会蔵の「十一面観音菩薩立像」がいらっしゃいます。
ちなみに、秋は11月、冬は2月が会期です。
お近くまでお越しの際には、ぜひ長浜の観音さまに会いに行ってみてくださいね♪
※本記事の執筆にあたり、長浜市および東京長浜観音堂のご担当者様にご協力をいただきました。ありがとうございます。
ご紹介スポット情報
東京長浜観音堂
所在地:東京都中央区日本橋2-3-21 八重洲セントラルビル4階
電話番号:080-1620-2090
アクセス:JR東京駅 八重洲北口より 徒歩5分/東京メトロ日本橋駅B7出口より 徒歩5分
公式ウェブサイト:https://kannonnagahama.wixsite.com/website-1