小江戸板橋

「ボクは、どこにいるでしょうか?」

 

真っ白におしろいを塗った顔。

小さく添えられた目と口。

頭に黒く髪がのっていて、赤い着物を着ています。

あっ、君は。君のこと知っているよ。

カラーコーンに描かれているのは、きっと「起き上がり小坊師」のデザインだよね。

 

起き上がり小坊師

起き上がり小坊師 「ボクは、どこにいるでしょうか?」

 

何度倒しても、くるくる回って起き上がる。

「七転び八起き」の精神を持ち、「無病息災」のご利益があるという縁起物。

円錐形に近い形で、高さは3cmほどかな。

福島県会津地方に古くから伝わる郷土玩具です。

信長や秀吉に才能を認められ重用された戦国武将「蒲生氏郷公」が会津地方を治めた天正年間に、藩士に作らせ正月に売らせたことがはじまりと言われています。

 

新春の1月10日に行われる「十日市」で、家族の人数にひとつ加えた個数の小坊師を購入し、神棚に飾ります。

家族が増えますようにとの願いが込められています。

 

 「ボクは、どこにいるでしょうか?」

※ 1994年の「墨画から版画 ー 心にしみる魂の歌『斎藤清展』」より。

 

私が少年期を過ごした会津は、冬期間には相当な積雪がありました。

◯◯豪雪という、年号を入れた言葉がいくつも残っています。

会津に生まれ、会津の風土を愛した画家であり版画家である斎藤清氏の作品には、雪に包まれた風景が優しく描かれています。

十日市の頃は、雪の上を歩いたり、つるつるに凍った路面を気を付けながら移動しました。

行きは母に手をつないでもらえても、帰りは荷物がいっぱいで、子供も背中や両手に買物の成果物をぶら下げていました。

 

日本橋ふくしま館

日本橋ふくしま館 「ボクは、どこにいるでしょうか?」

 

さて、扉の写真のカラーコーンは、何処にあるのかです。

日本橋室町4-3-16.

室町3丁目交差点を神田方面に歩くとすぐです。

日本橋ふくしま館「MIDETTE」の入口で、安全ポールを二体で支えていますよ。

 

アンテナショップのフロアの奥には、飲食・交流コーナーがあり、県内のおいしいご馳走を食することができます。

 

 「ボクは、どこにいるでしょうか?」

 

今日の出店は、伊達市のラーメン店 麺家心花〈TOKIMEKI〉。

喜多方ラーメンや白河ラーメンは今では全国区ですが、県北のラーメンですか。

塩を頼みました。

麺はストレートの細麺。

中華麺というより、日本そばの風味に近い。

穂先シナチクは、大きくて絶妙の柔らかさ。

スープはご当地の伊達地鶏を使用しているのでしょうか。

あれあれ、全部飲み干してしまえる。妻に叱られるな。

月ごとに出している催事スケジュールを押さえれば、ふくしま美味いもの巡りができますよ。

 

やっぱり、ふくしまのお酒

やっぱり、ふくしまのお酒 「ボクは、どこにいるでしょうか?」

 

今日は、この後とくに予定はないので、ワンコインで「日本酒3種飲み比べセット」を。

・末廣しぼりたて生(純米吟醸)末廣酒造(会津若松市)15度 精米60%

・生粋左馬(純米吟醸)有賀醸造(白河市)16度 精米50%

・弥右衛門(純米辛口)大和川酒造店(喜多方市)15度 精米60%

外飲みの機会を自粛してきただけに、明るいうちからいただくのは、幸福感が倍増します。

 

館内での写真撮影許可をお願いしたら、「これも入れて撮りますか」と一升瓶を出してくださいました。

「いえいえ、大丈夫です」。

酒の話題になったときの、ふくしまの人の人なつこさが伝わって、嬉しくなりました。

 

 「ボクは、どこにいるでしょうか?」

 

そうそう、日本酒の醸造技術と清酒の品質向上を目的に行われている全国新酒鑑評会で、福島県の酒は昨年まで金賞受賞数が、9年連続で最も多かったのです。

直近の令和4酒造年度(酒造りの区切りとしての7月1日から翌年の6月30日までの1年間)の金賞受賞数は、福島県の10連覇を阻んで山形県が全国最多となりました。

兵庫県、長野県、新潟県。醸造元各社は、とてつもない努力を払われてきたのでしょう。

でも飲み手からいえば、各社切磋琢磨して品質の向上が図られるのは、大変好ましいことです。

 

郷土玩具の人気者「赤べこ」

郷土玩具の人気者「赤べこ」 「ボクは、どこにいるでしょうか?」

 

福島の最も有名な郷土玩具は、「赤べこ」でしょう。

「ミデッテ」にもかわいらしい大型の赤べこがいます。

赤い体は魔除けの効果があり、黒い斑点は痘を表わして病が軽くなることを示しています。

新型ウイルスにも効き目があるかもしれません。

首がゆらゆら揺れるのを見ていると、心もゆったりとしてきます。

 

赤べこも蒲生氏郷公が、殖産振興のために技術者を招いて張子製作を行ったことをはじめとする説もあります。

伊勢松阪から奥州の抑えとして会津に入り、商工業政策を重視し、江戸時代の会津藩の発展の礎を創りました。

町の名を若松とし、城を舞鶴の家紋に因んで「鶴ヶ城」としました。

この地方における氏郷公の事績は大きなものがあります。

 

 「ボクは、どこにいるでしょうか?」

 

東京駅日本橋口前では、2028年の完成を目指して高さ約390mの日本一高いビルを中心とした「TOKIO TORCH」の工事が進行中です。

工事前の広場には、とても大きな赤べこがいたのです。

全長3.6m、高さ1.8m、胴体幅1.4m。

「TOKYO TORCH」のテーマカラーの銅色が施されていました。

世の中を明るく照らす松明が建つ場にあって、魔を除け疫病を避け、そして幸福を運ぶ赤べこ。

子供さんや海外からのお客さんに、大人気だったようです。