すっとこどっこい

~築地小劇場跡~ の記念碑 移転へ

築地二丁目のビル群の一角。新大橋通り平成通りの間の縦筋にレンガにの壁面にはめ込まれた築地小劇場跡の記念碑がある。

土方與志小山内薫に計り、私財を投じて1924(大正13)年6月に京橋區築地二丁目5番地に開設した劇場です。日本初の新劇の常設劇場です。

2024年の今年は開場100年に当たります。

 

 

 ~築地小劇場跡~ の記念碑 移転へ

演出家の土方與志は演劇研究のためのヨーロッパ留学時に日本で関東大震災があったことを知り、急遽ドイツから帰国します。日本は震災復興のために建築の規制が緩められていた時期でもあり、劇場の建設を思いついたようです。100坪ほどの敷地にドーム型の高い天井のある平屋建ての劇場で世界初となる電気使用の照明室もありました。

 

 ~築地小劇場跡~ の記念碑 移転へ

劇場の正面の一番上にはぶどうのマークがあったそうです。ぶどうはバッカスの神の象徴なので選んだのだと土方與志自身が書き残しています。

 

詳細は RIEdel さんのブログに書かれています。

https://tokuhain.chuo-kanko.or.jp/detail.php?id=2144

 ~築地小劇場跡~ の記念碑 移転へ

里見弴が書いた碑文です。

「大正末から昭和にかけ、新劇の本據として大いにその發展に寄與した。戦災で焼失。」

本據とはよりどころの場所の意味のようです。

 ~築地小劇場跡~ の記念碑 移転へ

レンガの壁面にはめ込まれた記念碑は1977年に日本演劇協会から中央区に寄贈されたという。この説明版は中央区教育委員会による日本語と英語のものです。

 ~築地小劇場跡~ の記念碑 移転へ

築地二丁目のドラッグストアと百円ショップに閉店のお知らせが出た。隣接する銀行が急に入船三丁目に移転した。

築地二丁目地区の市街地再開発が発表になった。記念碑を含む約五千平方メートルの敷地に東京メトロ築地駅に直結する地上21階、地下3階の商業施設が入ったオフィスビルが建つ。築地小劇場跡の記念碑はどうなるかと開発事業の中心になる不動産会社に新聞社が問い合わせたが未定との返事だったそうだ。秋になり移設する方向で中央区と協議を進めていると回答があったそうです。中央区教育委員会も何らかの形で再開発業者に対応していただける方向としていると再開発エリア内に移転して残されることが分かったと新聞に載った。

新聞に載っていた演劇評論家のコメント

「現代演劇のルーツである築地小劇場跡の記念碑が残ることは、日本の演劇にとって大きな意味がある。今年は初上演から100年ということで、私の周りにも記念碑を見に行った若い人がたくさんいる。」

若い世代に演劇文化を伝承する大切さを指摘している。

再開発は、解体工事を経て2026年度に新築工事に着手し、29年度に完成予定だ。