湊っ子ちゃん

湊の夏2019

こんにちは、湊っ子ちゃんです。
今年の夏は暑いですね!とは言っても、9月を迎え、セミの大合唱も、少しずつ落ち着いてきたように思います。湊の隅田川テラスには、新しいお客様が見られるようになりました。

川の中に、6本の杭が打たれたのです。これは、作業船などが停泊する場所として設けられたもののようです。杭にはロープが常設されていて、ランプもついています。ときどき、船が停まっていることがあります。

そして、この杭は、普段はあるお客様の特等席になります。それは、鳥です!
今の季節ですと、”ウミネコ”がだいたい席を埋めていますが、ある日は、”ウ”や”シロサギ”も仲良く並んでいました。

ひとつの杭に1羽ずつ止まるので、6羽までが定員となります。競争率は高そうに思えますが、案外、6つの杭が全部埋まることはありません。面白いのは、まだ空いている杭があるのに、わざわざ他のウミネコが止まっている杭に止まろうとして、ケンカになるパターンです。席を追われたほうは、ミャーミャーと鳴きながら、仕方なく隅田川の水面に着水し、ゆらゆら揺られはじめます。

こんな攻防戦を繰り広げるのは、決まってウミネコどうしです。ウミネコは、他の種類の鳥には、決してチョッカイを出しません。鳥どうしでも、礼儀というものがあるようなのです。

そして、今日見たおもしろい光景は、なんと、”アオサギ”がとまっていたことです。これが何とも、ユニークな姿でとまっているのです。

一番高い杭に陣取り、両方の翼を広げて、日光浴を始めました。このポーズで日光浴、といえば、ウはおなじみですが、アオサギもこんなふうにポーズをとるのですね!

その姿が、まるでブロンズ像か何かのようで、対岸の佃リバーシティ21の高層ビル群と、中央大橋をバックに、とても有難いもののように見えたのです。そこで、思わずパシャリ、とカメラを向けたわけです。

現在、佃大橋はライトアップ設置の工事中。その向こうには、月島に建設中の高層マンションが、すっかり頭を見せ始めています。町は変わっていくものだなぁと、しみじみ思います。そういう私が、今立っている湊も、振り向けばあっという間に、高層マンションがふたつも建ちました。

変わりゆく町の記念碑として、アオサギは暮れはじめる夏の空に影を作りました。それは、ほんの一瞬だけ現れる記念碑です。

もう少ししたら、ユリカモメが長い旅から戻ってくるはずです。そしたら、この隅田川テラスも、一段と賑やかになるでしょう。その頃は、オリンピックまでのカウントダウンもあとわずかです。

 

 湊の夏2019

中央区観光協会特派員 湊っ子ちゃん
第60号 令和元年9月7日