月島の もんじゃを食べて 温まる
銀座通りを歩いていて、「久しぶりにもんじゃ焼きを食べたい。」ということになり、月島に行って食べてきました。
月島は有楽町線を使えば「銀座一丁目」の駅から僅か2駅です。でも今日は銀座シックスの近くにいたので、銀座4丁目の停留所から路線バスに乗ってみました。夕方のバスは少し混んでいましたが、地下鉄とは違って夕暮れ時の歌舞伎座や築地本願寺、隅田川の勝鬨橋といったランドマークを眺めることができるので、飽きることなく乗っていられます。
「勝どき橋南詰」のバス停で降りて交番のある交差点を左に曲がり、月島川を渡ればそこが月島。着くまでがあっという間です。夕暮れ時の月島川の風情もなかなか良いもので、橋の上で少したたずんでしまいました。
この月島には、もんじゃ通り・もんじゃストリートと呼ばれる「西仲通り」があって、この周辺には何十件ものもんじゃ焼き屋さんがひしめいています。
もんじゃ焼きって毎日食べたくはないけど、たま~に無性に食べたくなる、自分にとってはわりと不思議な食べ物。このもんじゃ焼きを知ったのはごく最近のことで、初めて食べたのもこの月島でした。その素朴な味わいを恋しくなってしまうことが時々あり、その結果、こうやってもんじゃ通りを歩くことになるのです。
「今日はどこのお店にしようか」と、この通りを数往復し、そのあと「そろそろ決めて入ろう」という流れになって、最後はその日の直感に従ってお店に入る、というのが、だいたいのパターン。夕暮れ時のもんじゃ通りの風景も綺麗なものでしたが、寒かったし、おなかのすき具合も限界に達してきたので、いつも通りの直感でお店の中に入ります。
もんじゃを食べたことの無い方が、初めてお店に入った時に不安になるのは、「もんじゃ焼きって、どうやって作るんだろう。」というところ。作り方が結構特殊なので、無理もないことだと思います。周りで作っているのをジロジロ見るわけにもいかないし。。私もそうでした。ですが忙しくなさそうであれば、お店の人にお願いして、たいがいは作ってもうらうことができます(たぶん)。
私はこの、お店の人に作ってもらうを見るのが好きで、いつも1つ目に作るもんじゃは頼んでしまいます。自分で作るよりも作ってもらったほうが断然おいしい、というのもあるのですが。。。
どこのお店でも、無駄のない手さばきで作られていく過程がとても芸術的。その手際の良さには毎回驚かされてしまいます。私が毎回注目しているのは、そのお店やお店の人によって作り方が若干異なる所。具材の刻み加減や刻むタイミング、土手の作り方や汁の入れ方、回数など、そのちょっとした違いがあって、それを見逃さないのが楽しみのひとつです。
もんじゃを作る手順は基本の型がありますが、その細かい部分はそれぞれのお店のアレンジがあったりして作り方に正解はありません。土手を作るのは月島特有というのも聞いたことがあります。いろいろなお店を廻って参考にしてみて、自分の作る型を練り直す、なんていうのもまた面白いかと思います。
このあと土手が崩されて芸術作品が完成されるのですが、もんじゃ焼きで残念なのは、一生懸命に作られた完成物がSNS映えしないところでしょうか。写真を撮るなら、この段階にしておきましょう。旨そうでしょ?。紅ショウガの入った、わりとシンプルなもんじゃです。
もんじゃはお店によっていろいろなメニューがあるので、何を選ぶのも楽しみの一つです。魚介・海鮮系はもちろん、チーズ、お餅、ベビースター、なんていうのもあったりします。今日はこのあとに作ったカレー味のもんじゃが旨かったなぁ。でも頼む時には結構冒険気分だったりするので、そのお店の看板メニューを選択するのが一番はずれが少ないかもしれません。
そんな感じで満腹になったあと、お店の外に出ます。自分ってホントに日本人でよかったなぁと思う瞬間です。もんじゃはそういう感情を起こさせてくれる不思議な食べ物。またこの通りを数週間後に歩くことになるのでしょう。もう辺りはすっかり暗くなっていましたが、今日ももんじゃ焼きで温まることができました。
最近、春めいては来たものの、夜になるとまだまだ寒いです。この寒さはまだ続くと思いますので、もしよろしければ、もんじゃ焼きの月島に温まりにいらしてください。