にゃんボク

東京は石の見本市?!

 東京と言えば、「コンクリートジャングル」とか「東京砂漠(例えが古い)」と言われることはあっても、あまり「石の街」とは言われないように思いますが、その実、かなり石が使われています。
駅ビルやデパートの中、道端の壁やビルの外装も意識して見渡してみるとあちらこちらに石が使われています。ただ、ピカピカに磨かれてタイルのようになっていたりするので、「石造り」と思われずに使われているものも多そうです。

 一方、日本の都市の多くは城下町であり、もとは砂利と泥である堆積平野の上に作られているわけで、江戸時代に建築や土木の材料に石を使おうと思ったらどこかから水運で運んでくるしかないわけです。

イギリス人建築家のジョサイア・コンドルが日本に来た時もいい石材が見つからなくて相当苦労したようです。その弟子の辰野金吾氏が日本銀行を作る時も、使用する石への妥協はしたくないと、最上級の「御影石」と言われる瀬戸内海の「北木(きたぎ)石」を使うこだわりを見せたとのこと。

中央区銀座に鎮座するこのビルは

中央区銀座に鎮座するこのビルは 東京は石の見本市?!

 石をめぐるあれこれを探ると相当に奥が深そう・・・なんですが、今回はその中でひときわ石へのこだわりを見せる「座 STONE ザ・ストーン」を取り上げたいと思います。こちらは、東京土産で国内外で人気の「東京ばな奈」で知られる株式会社グレープストーンの本社ビルです。

 私も大阪で勤務していた時は、東京から来る皆さんからやたらめったらこの「東京ばな奈」をいただきました。これほどまでに定番なのか、とは東京にいたら逆に知りえなかった・・・。私自身、東京にしか店舗がなかったのでバームクーヘンの「ねんりん家」を手土産に他の都市を訪問する際にお持ちしたことも数多くあります。

そのグレープストーンの創業者が無類の石好きなのだとか。だいたい、このビルにもそのものずばりSTONEが入っていますし、社名もグレープストーンですもんね。

カフェに続く外階段も石のこだわり

カフェに続く外階段も石のこだわり 東京は石の見本市?!

 このビルには24種類もの石が様々な地域から取り寄せられ、ビルの入り口にはジンバブエブラック(ジンバブエ産の黒御影石)の彫刻も展示されています。紙面がいくらあっても足りないぐらい、特徴的です。

 エレベータホールにも、カフェに続く外階段も、石に囲まれています。「割ったままの風合いを残した”割肌”」、表面に炎を充てて仕上げる「ジェット&ポリッシュ」、丁場からの採掘跡が残る「背板」など、仕上げ方によって表情が変わる石の組み合わせにも相当のこだわりをお持ちのようです。

勿論、アフタヌーンティーも美味しい

勿論、アフタヌーンティーも美味しい 東京は石の見本市?!

勿論、アフタヌーンティーセットも美味しい!静かな店内で美味しいスイーツをもとにゆったりとした時間を過ごせました。(2020年3月 現在は新型コロナウイルスの関係で休業している可能性があるので詳しくは公式HP等をご確認下さい)

 石、の視点を持ちながら中央区の歴史ある建物を見てみると、これは知れば知るほど奥深い世界だと気づかされます。また別の機会に掘り下げてみたいと思います。