「俺の」中央区観光検定
遊郭や花街といった言葉で、たいしてムラムラもしない年齢になってしまった・・・(>_<)
しかし、これが検定試験に出題されてくると話は別で、妙にコーフンしてしまう。
実際、「ものしり百科」には、江戸時代、吉原が浅草に移転する経緯が詳しく書かれている。(p.176)
今年行われた「第12回中央区観光検定試験」では、人形町から浅草に移転した新吉原は幕府公認だが、未公認の遊郭がいくつかあり、それらが当時何と呼ばれていたのかが「問 29」で問われました。
選択肢には、
ア.花街 イ. 待合 ウ. 置屋 エ. 岡場所 と並ぶ。
熱心に勉強してないと、つい花街とか、待合を選びそうになる。
(正解は岡場所)
さらに、後半の「問 93」では、かつての新富地区が、どのような街であったのかを問う問題が出題されました。
悩ましすぎる選択肢!
昨年発売された最新版の「ものしり百科」に初登場した老舗割烹の「躍金楼」に関する記載が p.134にあります。
試験ではこの「躍金楼」がクローズアップされて出題されており、ここをしっかり読んでいれば解けるのですが、選択肢には、
ア. 花街 イ. 武家地 ウ. 商人町 エ. 宿場町 ときた。
前半にもあった「花街」が再び出てきて、何となくひっかかる。
もし先の問29で「花街」を(間違って)選んでいると、ここでは心理的に選べない。
(ン? そうなのかな... 個人的な見解です)
イヤ、そうでなくても、同じ用語(花街)が、同一試験の他の設問に選択肢で2度目のご登場ということで、どっちにころんでも悩む。
う〜ム・・・
悩ましいゾ〜(>_<) こんなんで悩むの俺だけか?
ここでの正解は花街なのです。
新富町の歴史的・地域的な情報を押さえていれば問題ないけれど、ここがうろ覚えだとアブナい。
躍金楼は、新規項目の「美味しい」料亭。
「これは狙われてくるかも?」と思って、試験当日、直前に目を通しておいたから、ナントカかんとか正解できたんだけど、一瞬、ヤマが当たって「ウハ〜!」と喜んでしまった。
こういう時にケアレスミスをやらかしてしまいがちな俺なんだが、普通の意味でも一瞬、舞い上がってしまった。
遊郭はもちろん花街へも、実際には足を運んだことないし、勝手にロマンチックなイメージを漠然と抱いて盛り上がっている俺っていったい・・・
そもそも、傾城町(けいせいまち)も含めて、遊郭や吉原などの知識がごっちゃ煮になっていた俺の記憶。
例えば、待合と言えば茶屋も含まれ、大阪では色茶屋といって「それなりのことをする場所」になっている。
どんなことをするんだろう? などと妄想を膨らませていると、試験の時間が瞬く間に過ぎていく。
かといって徐に解答しても、外してしまうこともありがち。
しかし今回は、気分的には永井荷風になりきり、落ち着いて確信を持ってマークすることが出来まスた。
俺の窮地を救ってくれた躍金楼には感謝したい。
試験に出題され、たまたま正解しただけなのに、それを啓示として受け止め、表敬訪問してみることに。
俺流・一期一会の旅物語なのでありんす。
旧花街の名残りを今に伝える
文化人類学者は、人の価値観が生み出す思惟が、都市の景観に与える影響について様々なことを述べているのですが、「花街の雰囲気を今に伝える景観」とは、いったいどんなものなのか。
旧町名由来のカテゴリーでも「ものしり百科」に言及のある新富町には、浅草から歌舞伎の守田座(後の新富座)が明治5年に移ってきた。その前年まで遊郭だった一帯(←ココ重要)が浅草の方へ移転しており、新富町は芝居町・花街として賑う。
躍金楼は明治6年創業ですが、現在の店舗は戦後まもなくリニューアルされたもので、中央区近代建築物調査100選に選ばれています。
昔は新富芸者(新橋芸者ではない)が百人以上は住んでいたとも言われるこの界隈、今はすぐ近くにAPAホテルが2つもあるけど、かろうじて閑素な、いい感じの雰囲気を残す路地にその店はあった。
ランチタイムでのお座敷の利用に関しては事前に予約が必要ですが、そのような需要が今はそれほどないという。夜は2〜3日前からでも予約可能で、芸者さんを手配しての利用もたまにあるらしい。
かつて窓から築地川も見えたという2階の和室に入ってみたくて、「瓢の間」を予約してみました。お料理とは別にお部屋代が3千円ほどかかります(税別)
お値段にビビったわけではないですが、さすがに老舗料亭の貫禄というのか、フォースのような、ただならぬ雰囲気を感じる。
お部屋にご案内された時にふと一句、思い浮かんだ(人のだけど)
かにかくに 祇園はこひし 寝るときも
枕の下を 水のながるる
どうして何の脈絡もなく、イキナリ吉井勇の歌を思い出したのか。
祇園の雰囲気にも似た躍金楼の佇まいに、圧倒されてしまった。それでいて、まったりとした、不思議にどこか懐かしい感じもする。
旬な食材による充実の会席料理
これはグルナビではありませんので、料理に関しては軽く流させて頂きますが、筆舌に尽くしがたい、もの凄〜いお料理がリズミカルに出てきて、感激しました。許可を得て撮影させて頂き、特派員ブログでの共有も了解を得ました。
「検定試験に出たから」という、不適切な動機?で訪れたことは絶対に秘密だったのですが、バレてしまいました。
それでなくても、この界隈に来るにはド素人すぎる俺の不審な物腰からバレバレだったと思う。
頑張って粋にお江戸通を装いながら、上品な会席料理を頂きました。
とっても美味しゅうございました(>_<)
躍金楼の様子が描かれている豊原国周の有名な錦絵が廊下に飾られており、女将さんが部屋まで持ってきて下さいました。貴重で興味の尽きない逸話もたくさんご紹介頂きまして、ありがとうございます。
世の中の見方を、根源から変えてしまうほどインパクトのある、究極の「おもてなし」を、俺は見たような気がした。
「中央区観光検定」に出題されたからではなく、本当に充実した夢のようなひとときを味わった思い出の躍金楼を、俺は絶対に忘れない・・・
* お料理の写真や、錦絵、以下で紹介しているお店のパンフレットの石田良介画伯の剪画の使用についてもご承諾を頂いております。
ちなみに、デニーロ特派員がハロラジに登場します!
絶対に秘密でしたが、特別にお知らせです。
来る3月19日(木) 中央エフエムの「Hello! RADIO CITY」に俺・デニーロ特派員が出演します。
オン・エアー たぶん午後12時半頃〜 (再放送・同日18:00〜)
ピックアップされた特派員ブログは「俺のデニーロ」という、2020年1月20日付の記事です! どんとミスエテ(>_<)
この意味不明な記事タイトルは、如何にしてつけられたのか?
その謎が、ついに解き明かされるのか〜!?!
フォロワーの皆様、どうぞお楽しみに!
( ↑ 誰もたいして、楽しみになんかしてネ〜から! by 中央区観光協会:某M浦)
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◎ 美味しい観光(2016年2月6日付)