2020 石川島公園 ”旅鳥” 京女鴫
首都圏の一都三県は、新型コロナウイルス対策の特措法に基づく緊急事態宣言の解除が見送られ、長期化の様相を呈していますが、こうした中、自宅周辺で、密閉・密集・密接の3密を避けての小散歩は、気分転換のひとつです。特に隅田川に臨む "親水公園" として整備された水辺の散策は心に安らぎを覚えます。永代橋下流で隅田川から東に分流した隅田川派川(晴海運河)沿いに立地する石川島公園は、スーパー堤防の採用により、公開空地と一体となり、水と触れ合えるよう親水性が確保され、近隣の住民の憩いの場です。
この季節、干潮時、水際の岩場や護岸に目を凝らすと、京女鴫(キョウジョシギ)がごそごそと動き回り採餌している姿に出会えます。名の由来は、赤褐色·黒·白の斑模様の独特の夏羽を、京女の着物姿の艶やかさに見立てたとされます。雌夏羽は赤褐色が淡く、冬羽や幼鳥は灰褐色の色調で地味。首や嘴、足(橙色)はシギ類としては短かめです。 夏季、北半球北部のツンドラ地帯で繁殖し、冬季、南半球に渡り越冬するとされ、日本には旅鳥として、春と秋に中継地として飛来し、干潟・海岸・水田等で観察されています。嘴で小石や土塊・貝片・海藻の魂をひっくり返したり、ずらしたりしてその下に潜む小動物を捕らえる習性を持ちます。