竹久夢二の港屋絵草紙店
繊細な描写が日本のロートレックとも称される、大正ロマンを象徴する画家、竹久夢二。
夢二は今から106年前の大正3年、旧日本橋区に港屋繪草紙店(えぞうし)を開きました。
風呂敷、版画、絵葉書、日傘、浴衣などの自身の作品を売る間口2間(3.6mほど)の小店でしたが、予想以上に繁盛したそうです。美術家自身が作品を商品化して販売する店を構えたのは日本の商業美術史に大きな意味を持った出来事でした。
地下鉄日本橋駅横、八重洲1丁目2-1に港屋の記念碑があります。碑には「港屋」のポスターを陶板にしたものがはめ込まれ、その横に彼が作詞した「宵待草」の歌詞が刻まれています。
それから約100年後の「港屋絵草紙店」
明治座斜め前に「港屋絵草紙店」(日本橋浜町2-18-5藤光ビル)を見ることができます。
当初と同じ間口約2間の小さな店構え。中は大正ロマンの香りが満ちています。
開店は26年前の平成6年。全国のデパートなどで開催される夢二展で夢二グッズを紹介しているそうです。店舗の方が親切に説明してくださるので、夢二ファンは一度顔を出されてはいかがでしょう。