『新参者』と人形町 10年を考察 ⑨
~ 書籍表紙に描かれている中央区 ~
『ギフト、そして自分も楽しむ』をグレイスフルに取材します、rosemary sea です。
『「新参者」と人形町 10年を考察』シリーズ、6月19日の第6回【「新参者」の単行本・文庫本の書籍表紙に描かれている人形町】の続編としまして今回、【「新参者」シリーズ 書籍表紙に描かれている中央区】をテーマとしてご紹介したいと思います。
つまり、第6回と違いますのは、
① 書籍を「新参者」単独から、「新参者シリーズ」全体に拡大しましたこと
② 描かれている地域を「人形町」から「中央区」に拡大しましたこと
の、2点です。
「新参者」の単行本・文庫本、中国版「新参者」の書籍表紙につきましては、このシリーズの第6回をご覧になってください。
それでは「新参者」に続くこのシリーズ第2作、「麒麟の翼」単行本の表紙に描かれています中央区からご案内します。
「麒麟の翼」単行本・文庫本
威風堂々、と表現しましょうか、「麒麟の翼」単行本・文庫本とも日本橋の橋中央に左右・前後計4基あります麒麟の像が描かれています。
麒麟の像
題に書かれているとおりですから、単行本にも文庫本にも表紙に採用されるのも当然のことですね。
高速道路の間に建つ麒麟の像、下を流れる日本橋川や、双十郎河岸船着場からも眺められます。
・・・次は、「新参者」シリーズ 第3弾、「祈りの幕が下りる時」の単行本の表紙をご覧いただきます。
「祈りの幕が下りる時」単行本
「祈りの幕が下りる時」単行本の表紙には、川と橋が描かれています。
柳橋(やなぎばし)
見比べてください。
ここは柳橋、神田川の河口に架かる橋です。
橋の左手(南岸)は中央区東日本橋2丁目、右手(北岸)が台東区柳橋1丁目。
台東区側の茶色の建物は安政元年創業の料亭「亀清楼(かめせいろう)」、伊藤博文が良く利用したことで有名です。
文豪数名がその作品の中に「亀清楼」を登場させています。
ただ、2017年11月より、建て替えのため休業中、とのこと。
それまでずっと、大相撲の横綱審議会がここで開催されておりました。
※ 「柳橋」につきましては後日詳しく述べさせていただく予定です。
小説「祈りの幕が下りる時」では事件のキーとなる、カレンダーに書かれていた12の橋の中、5月のところに「柳橋」の名がありました。
ですが、他の表紙と違い、「柳橋」は物語の中心ではございません。
強いて言いますと、神田川が隅田川へ流れ込む最後の橋、最下流の橋、という位置づけです。
この橋のたもとや、その上流にあります舟宿から、屋形船が「柳橋」をくぐって隅田川へ出ていきます。
また、この橋を起点として神田川を上る船ルートとなります。
小説でも描かれました、船で12の橋を巡るのにも起点となります。
ただ、映画「祈りの幕が下りる時」では終わりに近いシーン(小説では書かれていません)が撮影され、登場しています。
では、「祈りの幕が下りる時」文庫本の表紙は・・・
「祈りの幕が下りる時」文庫本
「祈りの幕が下りる時」の単行本の表紙は劇場内が描かれています。
これはこの小説の中心的な舞台であります明治座さん。
明治座さんの舞台・客席
少し角度は違いますが、明治座さんから頂いた画像で、ほとんど正確に明治座さんの劇場内が描かれていることがわかります。
明治座さんの、「祈りの幕が下りる時」関連では『映画「祈りの幕が下りる時」ロケ地めぐり ⑩』として映画公開直前の2018年1月16日に掲載させていただきました。
そして翌2月の『映画「祈りの幕が下りる時」公開記念 バックステージツアー』の記事も、同月3回に分けて掲載させていただきました。
今回の掲載につきましても株式会社明治座 宣伝部 木暮さんに、ご了解をいただきました。
これらの本は皆、中央区立日本橋図書館より貸出を受けたものです。
中央区立図書館は3館とも、5月29日(金)より予約分の貸出、6月1日(月)より書架の本の貸出も再開しました。
ちょうど貸出予約中の本の、順番到来のお知らせを5月29日にいただきました。
お訪ねすると、借りたい本が多数ありました。
しばらくはハンモックに乗って、読書三昧、といきたいところですが、・・・。
相変わらず忙しくて無理のようです。