滅紫

「待ってました!」歌舞伎座再開 ー八月花形歌舞伎ー

「待ってました!」と声を掛けたいところですが、今は厳禁。5ヶ月ぶりの歌舞伎公演の幕が8月1日から開いています。入場は列が出来るのかと思いきや入り口が4カ所になり、あまりのスムーズさに肩すかし。消毒、検温を済ませ、チケットは見せるだけで自身でもぎって箱の中へ。(初体験)

客席は報道で知らされていた通り、市松模様、前後左右の席には襷がかけられています(襷の色も座席の色に合わせて目立たない配慮)。以前は時々気になった前席の方の頭や隣の恰幅のよい方の腕も全く気になりません。観客にとっては見やすいことこの上なし。松竹さんの発表によると「1808席を減らして823席の発売」とのこと。1,2階の桟敷席も幕見もなし。半分以下の販売座席なので、採算をとるのは難しいでしょうね。それでも開けてくださったのは感謝、感謝です。4部制で今日は第3部。七之助・猿之助さんの「吉野山」です。

幕が開く前に出演俳優のご挨拶が流れます。今日は「逸見の藤太」を演じる猿弥さん。日替わりだそうです。

ずいぶん涼しいなと思ってよくみると、客席の入り口扉、桟敷席の後ろの扉も開いたまま。正面入り口も開け放たれたままです。昨日第4部を見た同行の友人によると時々かすかに車の音が聞こえたとのこと。

ご存知の通り「吉野山」は「義経千本桜」の四段目の口、道行物を代表する舞踊です。

花道に七之助さんの静御前が現れるともう大拍手。すっぽんから忠信を演じる猿之助さんが登場すると舞台に釘付けです。舞台の清元や竹本の方々もいつもより人数が少なく特製の黒いマスクを付けての演奏。黒御簾の中の方達はもっと大変でしょう。

七之助さんにうっとり、猿之助さんの忠信、猿弥さんの逸見の藤太の絡みにあっという間に幕切れ。1幕ごとに入れ替えで係の方の案内に従って退場です。売店や喫茶の入り口も客席入り口とは別になっています。かき氷の看板に気がついたのが遅かったので週末に第一部を見た後の楽しみにすることに。

九月歌舞伎が発表されましたが、9月も四部制です。しばらくはこの興行形態が続くことになりそうですが、「生の歌舞伎が見られるようになって私の自粛生活も楽しみが増えてきました。

 「待ってました!」歌舞伎座再開 ー八月花形歌舞伎ー

八月花形歌舞伎は26日が千穐楽。7日と17日は休演です。

第1部11時~「連獅子」、第2部13:45~「棒しばり」、第3部16:15~「吉野山」、第4部19:00~「源氏店」

チケットのお問い合わせはチケットホン松竹0570-000-489(10時~17時)

                              8月3日第3部取材