下町トム

時を刻む銀座

銀座の一角に今月〔セイコーミュージアム〕がオープンしました。真新しい正面入り口の拵えは、時計という精巧なメカニズムを象徴しているようです。早速訪ねてみました。時計の歴史を学べるだけでは無く、メカニズムや意匠についても興味深く見学できます。

このミュージアムは以前、向島にありました。セイコーの工場があったゆかりの土地です。今回所蔵品の再整理とリニューアルを契機に、銀座へ移設されたということです。今まで以上に訪問しやすくなったと思いますので、中央区の産業観光の新しいスポットになることを期待します。

 

 時を刻む銀座

セイコーグループの系譜は、1881(明治14)年に、創業者である服部金太郎氏が京橋釆女町に〔服部時計店〕を開いたことに始まります。ちょうど日本は明治維新の文明開化の真っ盛り。暦法も太陽暦・定時法に改められ、時計の需要が高まると考えた服部氏は時計を商うことに目をつけました。海外製品の輸入や修理から事業を始め、やがていち早く国産化にたどり着きます。そして服部時計店はシンボルの時計台を持つ建物を銀座に構え、東京の町のランドスケープにもなりました。

ちなみに、創業時の店があった〔京橋釆女町〕というのは、震災後は〔木挽町六丁目〕となり、今は〔銀座五丁目〕地域に含まれます。〔歌舞伎座〕の向かいから〔時事通信社ビル〕にかけての一帯だろうと思われます。今は高速道路になっているところにかつては川が流れていました。〔采女橋〕という名前に往年の記憶をとどめています。