rosemary sea

人形町駅から行ける、静かな佇まいの神社 NO.25
 ~ 寶田恵比寿神社 ~

『ギフト、そして自分も楽しむ』をスペシャルに取材します、rosemary  sea  です。

 

「人形町駅から行ける、静かな佇まいの神社」シリーズ、第25回の今回は、寶田恵比寿神社(たからだえびすじんじゃ)をご紹介します。

それでは・・・

 

御由緒

御由緒 人形町駅から行ける、静かな佇まいの神社 NO.25
  ~ 寶田恵比寿神社 ~

当社は、慶長11年(1606年)の昔、江戸城外宝田村の鎮守様でありました。

徳川家康公が江戸城拡張により宝田・祝田・千代田の3ヶ村の転居を命ぜられ(現在宮城内楓山附近)ましたので、馬込勘解由(まごめ かげゆ)と云う人が宝田村の鎮守様を奉安申上げ、住民を引率してこの地に集団移転したのであります。

馬込勘解由と云う人は家康公が入府の時、三河の国から随行してこの大業を成し遂げられた功により、徳川家繁栄御祈念の恵比寿様を授け賜ったので、平穏守護の御神体として宝田神社に御安置申上げたのが今日に至ったのであります。

作者は、鎌倉時代の名匠運慶の作、と伝えられます。

その後、村民の生活は金銀為替、駅伝、水陸運輸それぞれ重要な役を賜り、馬込勘解由は名主となって三伝馬取締役に出世し、御役名に因んで「大伝馬町」の町名を賜って、伊勢、駿河、遠江、美濃、尾張、家康公ゆかりの国々より商人を集めて、あらゆる物資の集散地として大江戸開発と商売発祥の地として大変賑わったのであります。

現在も周辺の老舗・大小商社が軒を並べて今なお盛んな取引が続いております。宝田恵比寿神は、商売繁昌、家族繫栄の守護神として、崇敬者は広く関東一円に及び、毎年10月19日「べったら市」、20日の恵比寿神祭が両日に亘り盛大に執り行われます。

べったら市は「年またあらたまる」今年も年末が近づきお正月を迎える心構えをする商家にとって、大切な年中行事として、旧家は今日でも恵比寿講をお祝いするのであります。

 

 人形町駅から行ける、静かな佇まいの神社 NO.25
  ~ 寶田恵比寿神社 ~

24日の「人形町駅から行ける、静かな佇まいの神社 NO.24 【椙森神社】」でもご紹介させていただきましたが、ここ「寶田恵比寿神社」と「椙森神社」の間で毎年10月19・20日に、「べったら市」が開催されます。

しかしこれも前回ご報告させていただきましたとおり、今年の10月19日(月)・20日(火)は、新型コロナウイルス感染防止のため中止、と既に発表されています。

とても残念ですが、来年に期待しましょう。

 

 人形町駅から行ける、静かな佇まいの神社 NO.25
  ~ 寶田恵比寿神社 ~
 人形町駅から行ける、静かな佇まいの神社 NO.25
  ~ 寶田恵比寿神社 ~
 人形町駅から行ける、静かな佇まいの神社 NO.25
  ~ 寶田恵比寿神社 ~
 人形町駅から行ける、静かな佇まいの神社 NO.25
  ~ 寶田恵比寿神社 ~
 人形町駅から行ける、静かな佇まいの神社 NO.25
  ~ 寶田恵比寿神社 ~

今回も江戸古典落語、ご披露させていただきます、と言いたいところですが、今回は「古典」の2字を外させていただきます。

それほど古くない落語のようですので。

ただ、引き続いて「第17回」とさせていただきます演目、「宝」と「だいこんの漬物」つながりで「擬宝珠(ぎぼし)」をご披露します。

 

<事前確認コーナー>

擬宝珠・・・

橋の欄干などの柱の上にある装飾、銅製が一般的でしょうか。

ちなみに、寺院の建造物上のものは「宝珠(ほうじゅ)」。

ですから、「浅草寺の擬宝珠」は正しくは宝珠。

下の画像は2017年2月12日掲載「江戸の伝統を今に伝える ー 漆器 黒江屋 ー」でご紹介させていただきました、黒江屋さん(日本橋1-2-6)の店舗入り口左脇にあります擬宝珠、「万治元年(1658年)」の刻印のある、「日本橋(橋)の擬宝珠」です。

崇徳院(すとくいん)・・・

落語。若旦那の恋わずらいから始まる。

幾代餅(いくよもち)・・・

落語。米屋の奉公人が吉原の幾代太夫に恋わずらい。

みかん・・・

落語。ここでは「千両みかん」を指す。

千両みかんにつきましては、このシリーズ第12回の江戸古典落語(9月7日「人形町駅から行ける、静かな佇まいの神社」⑳【両社稲荷神社】)ををご覧ください。

若旦那が患い、夏にみかんが食べたいと言い出します。

 

 人形町駅から行ける、静かな佇まいの神社 NO.25
  ~ 寶田恵比寿神社 ~

「擬宝珠」

 

若旦那が病に伏せてしまいます。

頼まれて病気の原因、つまり「思い悩んでいること」を聞き出そうとする熊さん、落語に倣(なら)い、

「崇徳院?幾代餅?それともみかんが食べたい?」

・・・やっとのことで「擬宝珠が舐めたい」と判明。

金物を舐めるのが好きなようです。

でも、「駒形橋・両国橋・永代橋、・・・もう舐め飽きた、今舐めたいのは金竜山浅草寺の五重塔の一番上に付いている擬宝珠(宝珠)」と。

 

大旦那、つまり若旦那の父親に話すと、その趣味、大旦那も持っているようです。

「私も浅草寺の擬宝珠(宝珠)が舐めたい、しかし息子に譲ろう」と。

大旦那が手を打ち、お布施と人情人助け、ということで浅草寺の許可も取り付けます。

若旦那、浅草寺の最上階まで上り、擬宝珠(宝珠)をべろべろ。

 

大旦那「どんな味だったかい?」

若旦那「たくわんの味がしました」

大旦那「お前は親孝行(香香=漬物のこと)だから、たくわんの味がしたのだろう、塩加減はどうだった?三枡(しょう)?五枡?」

若旦那「六枡(緑青:ろくしょう、銅のさびのこと)でした」

 

寶田恵比寿神社

寶田恵比寿神社 人形町駅から行ける、静かな佇まいの神社 NO.25
  ~ 寶田恵比寿神社 ~

日本橋本町3-10-11

東京メトロ日比谷線・都営浅草線 人形町駅 A5出口を出て左、すぐの「人形町」交差点を左折、「人形町通り」を進み、約580m先の「えびす通り」に左折、約220m右側にあります。