人形町駅から行ける、静かな佇まいの神社 NO.26
~川上稲荷神社 ~
『ギフト、そして自分も楽しむ』をポジティブに取材します、rosemary sea です。
「人形町駅から行ける、静かな佇まいの神社」シリーズ、第26回の今回は、川上稲荷神社(かわかみいなりじんじゃ)をご紹介します。
それでは・・・
御由緒
寛永5年(1628年・戌辰)7月の創建と伝う。
古来、「川上稲荷神社」と称す。
旧幕府の乗船場に在りしが、明治2年(1869年)4月、同地も新開の街となるに及び、神域をこの地に移して崇敬す。
明治6年(1873年)1月、神田神社の兼務社となる。
昭和20年(1945年)、戦禍により烏有(うゆう)に帰せるをもって近隣町民有志相寄り茲(ここ)に再建せしものなり。
今回も江戸古典落語、ご披露させていただきます。
第18回の今回は、この神社のすぐ近く、“両国橋”が出てくる噺、「十徳(じっとく)」をご紹介します。
<事前確認コーナー>
両国橋・・・
中央区東日本橋と墨田区両国に架かる橋。
一石橋(いちこくばし・いっこくばし)・・・
中央区八重洲と、同じく中央区日本橋本石町を結ぶ橋。
北橋詰には本両替町の後藤庄三郎、南橋詰には呉服町の後藤縫殿助の屋敷があり、「五斗+五斗=一石」という橋の名のひとつの説は、特派員の皆さんもお聞き及びのことと思います。
また、「八ツ見橋」「八橋」とも呼ばれており、常磐橋(常盤橋ではありません)・呉服橋・鍛治橋(かじばし)・道三橋・銭瓶橋(ぜにかめばし)・日本橋・江戸橋と、一石橋自体が眺められたことに由来するそうです。
「十徳」
ご隠居を訪ねていった八五郎、ご隠居の着ている着物が変わっていることに気付いて聞くと、
「これは『十徳』と言って、立てば衣のごとく、座れば羽織のごとく、『ごとくごとく(五徳+五徳)』で十徳」と教わります。
続けて、「武蔵の国と下総(しもうさ)の国をつなぐので『両国橋』、呉服町の呉服屋の後藤と金吹町の金座御用の後藤がお金を出し合って架けたから、ごととごと(五斗+五斗)で『一石橋』」とも教えてもらいました。
八っぁん、これは良いことを教わった、誰かにしゃべりたい、となりまして、皆に、
「両国橋のいわれは知ってるかい?」
「そんなのは知ってるよ」
「それじゃ、十徳のいわれは?」
「知らない」
「ええと、立てば衣のようだ、座れば羽織のようだ、ようだようだでやーだ」
「嫌ならやめれば?」
「じゃなくて、立てば衣みてえ、座れば羽織みてえ、みてえみてえでむてえだ」
「眠てえなら寝たら?」
「立てば衣に似てる、座れば羽織に似てる、にてるにてるでよってる」
「昼間から酔ってる?」
「違う、立てば衣に似たり、座れば羽織に似たり、にたりにたりで(したり顔で)これじゃ、したりだ」
川上稲荷神社
東日本橋2-25-5
東京メトロ日比谷線・都営浅草線 人形町駅 A4出口の久松警察署・明治座さん側(人形町交差点側ではありません)を出て右へ少し。
金座通りを約400m、「久松町」交差点を渡り左折して「清洲橋通り」を進む。
約200mで「清杉通り」に右前方に折れ、「東日本橋駅」のところで「不動尊」方面への「柳橋通り」へまた右前方へ折れる。
「靖国通り」へ出る直前の道を右折すると左手にあります。
この先には「両国広小路記念碑」、そして「両国橋」があります。
人形町駅からは徒歩約12分ですが、東日本橋駅からは3分ほどで着きます。