人形町駅から行ける、静かな佇まいの神社 NO.30
~ 新富復興稲荷社 ~
『ギフト、そして自分も楽しむ』をリアルに取材します、rosemary sea です。
「人形町駅から行ける、静かな佇まいの神社」シリーズ、第30回の今回は、新富復興稲荷社(しんとみふっこういなりしゃ)をご紹介します。
それでは・・・
関東大震災後に学校等公共施設の復興がなされ、復興関連施設が建てられました。
こちら「新富復興稲荷社」もそれに基づくものではないか、と云われています。
新富橋の脇、中央区観光協会の入った建物にも近いところにあります。
また信号交差点の対角には、足袋の老舗・大野屋總本店さんがあります。
今回も江戸古典落語をご披露したいと思います。
第22回です。
とうとう神社名からのネタ選びにも窮しました。
「富」からの「富久(とみきゅう)」は人形町駅から行ける、静かな佇まいの神社 №24 椙森神社 でご紹介済ですし、「復興」では関連ヒットしませんでした。
辛うじて「新」で、この「鰍沢(かじかざわ)」の主人公・旅人の「新助」にあたりましたが、単なる「旅人」として登場する場合の方が多いようです。
・・・前置きが長くなりました、今回は「鰍沢」です。
<事前確認コーナー>
三題噺(さんだいばなし)・・・
落語の一形態。
落語家が客席から3つの題をもらい、その場で一席の落語噺にまとめる、という高度の技術。
人物・品物・場所の3つであったり、物品・地名・事件・人物の中から3つ選んだり、アットランダムであったり。
そうしてできた噺には、「酔っ払い・財布・芝浜」で、あの有名な「芝浜」、「卵酒・毒消しの御符・鉄砲」で、今回の「鰍沢」がある、と云われています。
なお、「芝浜」は7月9日の人形町駅から行ける、静かな佇まいの神社 ⑪ 富澤稲荷神社 でアップ済です。
「鰍沢」
身延山(みのぶさん)への参詣に向かう旅人が、鰍沢あたりで雪の中道に迷います。
明かりを見つけた宿にたどりつき、女主人の顔を見ると見覚えが・・・。
女主人は元は吉原の花魁でした。
身の上話を聞くと、心中しそこない二人でこの山中に隠れている、とのこと。
旅人は宿の礼を含めていくばくかの金を渡します。
女主人は身体が温まりますよ、と、旅人に卵酒を勧めます。
少し飲んで、疲れのため眠くなったので、旅人は奥で眠ってしまいます。
女主人は酒を買いに出ます。
そこへ亭主が帰ってきて、残っていた卵酒を飲みますと、苦しみ出します。
女主人「これには毒が入っているんだよ、旅人の金を奪おうと」
それを聞いた奥の旅人は、裏から逃げ出しますが、全身がしびれていてうまく歩けません。
そこで「南無妙法蓮華経」とお題目を唱えます。
すると懐に小室山の毒消しの御符があることを思い出し、飲み下します。
少し動けるようになりまして逃げてはみたものの、今度は前は断崖、後ろは女主人の構える鉄砲、絶体絶命です。
意を決して濁流に飛び込もうとしますと、運よく筏(いかだ)の上。
筏は壊れますが、材木の一部にすがり川下へ。鉄砲の玉が飛んできますが、かすって岩に当たります。
旅人「ああ、お材木(=お題目)で助かった」
新富復興稲荷社
新富1-4-8
※ 本当は「人形町駅から行ける」と申し上げるには無理のある距離なのですが、・・・。
とりあえず行けます。途中寄り道をしましたが、差し引くと30分ほどで行けました。