隅田の花火

もっと・GoTo・隅田川

11月に入り、隅田川も一気に寒くなって参りました。今年もあと2ヶ月。新型コロナウイルスの影響なのか、今年は時間が経つのが特に早く感じられます。世間は未だ違和感のある日々が続いておりますが、皆様はいかがお過ごしでしょうか。

隅田川は以前と同じように水を湛えて流れ続けております。今までと違った空気感ではありますが、Gotoトラベル・もっと東京といった施策もあってか、活況を取り戻しつつあります。

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緊急事態宣言の出ていた4月・5月頃のお話になるのですが、隅田川ではある現象が川面に現れました。航行する観光船や屋形船が無くなったことで波が無くなったのです。夜であれば水面が鏡のようになることはたまにありますが、

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<勝鬨橋>

日が沈む頃にも波の無い、いつもと違う隅田川の風景を眺める事ができました。世間の事情もあり、写真に残す事はできませんでしたが、それはそれは、綺麗なものでした。

そんな隅田川の水面を見ていたら、あることを思い出しました。先日お亡くなりになられた江戸東京博物館の元館長・竹内誠先生の講演会でのお話です。

太平洋戦争で、東京の街は壊滅的な打撃を受けましたが、人の営みが減り、工場が無くなり、戦後のほんの一時期だけ泳げるくらいの水質に回復したのだそうです。太平洋戦争のおかげ、という皮肉的な現象だったのですが、竹内先生は子どもだったその頃、隅田川で泳いで遊ばれていました。今では信じられないことですが、そのお話を思い出して、世間の情勢というものは隅田川の水に如実に反映されて来るのだと感じました。

 

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そのような隅田川ですが、以前と同じような波が川面に戻って参りました。観光船で楽しまれる方々も以前のように戻り、コロナ渦の中、きちんとルールを守られ、隅田川の魅力を堪能されているようです。そういう風景を眺めていると、とても喜ばしく感じます。

 

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この新型コロナウイルスの期間、隅田川は何も変わらなかった訳ではありません。以前から大きく変わった点と言えば、ライトアップされた橋が増えたり、ライトアップカラーを変えた橋が現れたところでしょうか。

これからは、さらに日が短くなって参りますので、寒いですが、夕暮れや夜の隅田川が楽しいかもしれません。

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いくつか隅田川の橋を巡って参りました。

ライトアップが今までと変わっていない、新大橋のような橋もございますが、

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〈新大橋と旧新大橋橋灯・江東区側〉

例えば最下流に架かる築地大橋は、新たにライトアップの仲間入りを果たしました。青く輝いていますが、特徴的なのは、1時間に1回、正時のタイミングで数分間だけ青から白に変わるところです。白い築地大橋を見る事ができたあなたは、とてもラッキーだと言えるでしょう。

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<築地大橋>

永代橋に来てみました。写真を撮った場所は、わりと定番の撮影スポットです。ですが新しいライトアップは、光の当て方や、光の種類・色がこれまでと異なりますので、新たな撮影スポットが生まれているはずです。そういう場所を見つけるのも楽しみの一つかもしれませんが、私はこの永代橋を撮るのが今のところ一番難しく感じています。今後も撮り続けていきたいと思っていますが、ぜひ皆様も新しい撮影スポットを探し出してみてください。

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<永代橋>

最後は清洲橋です。今回、真っ白なライトアップに変わりました。この橋は、以前に記事で書かせて頂いたような「雪の女王」といった感じで、近寄ると真っ白な光に覆い尽くされてしまうのですが、それよりも少し遠くから拝ませていただくのが私にはちょうど良いです。隅田川大橋の上からスカイツリーと一緒に眺めるのも良いのですが、その逆側、佃のマンション群を背景にすれば、この新しいライトアップの曲線が映えますので、私の好きな風景のひとつに加わりました。眺められる場所は、江東区側の隅田川テラス・芭蕉庵の近くです。

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<清洲橋>

この他にも佃大橋が新たにライトアップされたりと、心動かされる風景が新たに生まれています。このように隅田川は来年のオリンピックに向けての準備も整った感じなのですが、違和感のある世の中は、残念ながら、もう少し続いていくのだと思います。

しかし、それとは関わりなく過ぎ去っていく時間のように流れ続けていく隅田川。これまでと同じように、これからも来て頂いた方々を暖かく迎えてくれるはずです。もし東京に来られた際には、隅田川を巡って、皆様も新しい魅力を見つけて頂けたらと思います。