江戸太神楽
~ 丸一仙翁社中 ~
『ギフト、そして自分も楽しむ』をパフォーマンス豊かに取材します、rosemary sea です。
丸一仙翁社中(まるいちせんおうしゃちゅう)さんによる「江戸太神楽(えどだいかぐら)」公演を、お伝えします。東日本橋の薬研堀不動院・境内で行われました。
2年前・1年前に引き続き、丸一仙翁社中 第13代家元 丸一仙翁さんに、今回もお世話になりました。
12月14日にお伝えしましたとおり、例年ですと12月26日から28日に薬研堀不動院界隈で行われる「やげん堀納めの歳の市」・「歳末大出庫市(おおでこいち)」は、今年は中止となりました。
ですが講談協会さんによる講談会、辻講釈、そして例年の張り扇供養(はりおおぎくよう)、そしてそしてこれも例年の「江戸太神楽」公演は行われました。
12月14日の記事のとおり、1日2~3回公演を12月26日から28日の3日間ご披露されていました丸一仙翁社中さんによる「江戸太神楽」、今年は28日のみの、
① 11時30分より
② 15時30分より
③ 17時より
の3回公演となりました。
2018年の公演は2019年1月8・16・26日に、2019年の公演は2020年1月7日に、ご紹介させていただきました。
2020年12月28日、ロズマリは①の祭り囃子(まつりばやし)と③の傘の曲芸・寿(ことぶき)獅子舞を取材しました。
そちらの模様をお伝えさせていただきますが、その前に「江戸太神楽」と「丸一仙翁社中」さんについて、改めてご紹介です。
江戸太神楽・・・
太神楽の起源は平安時代と云われています。
太神楽、江戸時代になり大流行、その要因は「お伊勢参り」。
「一生に一度は伊勢神宮にお参りに行きたい」というのが、当時の庶民の願望。
しかし遠方在住では旅費も高く、日数もかかります、江戸からは片道15日。
そこで伊勢神宮や、同様に信仰を集めていた熱田神宮の神官子弟が、獅子頭を持ち各地へ出張、お祓いをして御札を配って回りました。
直接参拝する代わり、すなわち代神楽、ここから太神楽と別表記になった、と云われています。
丸一仙翁社中・・・
江戸時代から続く太神楽を代表する屋号のひとつ、熱田派に属します。
この派は1664年(寛文4年)、熱田神宮の許可を得て江戸に赴き、大小の屋敷を廻り「悪魔祓い」をしたそうです。
その後の寛文9年には、江戸城吹上の庭で将軍家の上覧に供しました。
ここから江戸出張が恒例となり、やがて江戸に住むことに。
現在では各種舞台やイベント、海外公演と、大変ご活躍されています。
また、お正月には日本橋界隈を中心に、昔ながらの町内廻りもされています。
・・・お待たせしました、薬研堀不動院での今年の公演のご紹介です。
祭り囃子
左から2人目が家元 丸一仙翁さんです。
懐かしい江戸の「祭り囃子」、こちらを生で聞かせていただきました。
こちらは江戸太神楽の本芸です。
お雛さまの五人囃子の原点と云われる祭り囃子、「打ち込み屋台」から始まり、静かな曲やテンポのある曲、また締太鼓のたたき方の違いまで、存分に楽しませていただきました。
花仙(かせん)さん、軽快に笛を演奏します。
傘の曲芸 ① 毬(まり)
こちらは17時からの公演です。
『ご家庭がまあるく収まりますように』
画像は傘の上のキャッチボール、中央で毬を回していますのが仙虎(せんこ)さん、暗い中ですが見事な演技です。
ですが、仙虎さん、今年も『無理~、無理です~』って言っています。
『まぐれでーす』とも。
傘の曲芸 ② 金輪(かなわ)
こちらも金の輪の音が綺麗に聞こえます。
『来年も一年間、皆様の金回りが良くなりますように』
傘をつぼめていきますと「時雨傘(しぐれがさ)」、輪をだんだん寝かせていきますと「松戸の競輪」。
鈴仙(すずせん)さん、こちらも暗い中の演技にもかかわらず軽快に回した後、最後、輪を傘の中央に「輪抜け」できました。
傘の曲芸 ③ 茶碗
こちらも鈴仙さんの演技、落とすと割れる茶碗を、傘の上で回し続けます。
傘の骨に当たって「チリーンチリーン」という音が聞こえてきます。
お茶碗は徐々に上向きになっていきます。
『皆々様の来年の運勢、どんどんどんどん上向きになっていきますように、お茶碗も上向きに回していきます。』
落として割ることなどなく、本当に見事です。
傘の曲芸、この後、升(ます:五合升【ごんごうます】)を傘の上で回す演技がご披露されるのですが、1年前に引き続きまたもご紹介できません。
昨年は総画像数の関係で、今回は会場の照明に升がよく写し出されなかったことで。
ご覧になりたい方は、2年前を画像をご覧ください。
『皆さんのご家庭も益々(升々)ご繁昌~』
寿獅子舞
例年よりはぎゅっとまとめられました演技ですが、最後にお獅子が出てまいりまして、皆さんの頭を噛みに回ります。
ロズマリもこの後、頭を下げて噛んでもらいました、厄落としです。
・・・2021年も、いいえ2021年こそ、良い年でありますように。
江戸太神楽 丸一仙翁社中さんのホームページはこちら
⇒ https://edodaikagura13.wixsite.com/home
薬研堀不動院
東日本橋2-6-8