2021 佃島稲荷神社初午祭
旧佃島地区には 3ヵ所計4社の稲荷神社が鎮座しています。 壱部(上町)には、住吉神社境内社のひとつで、明治2年に大伝馬町1丁目より遷座したと伝わる「入船稲荷神社」、弐部(下町)には、森孫右衛門一族が奉祀した屋敷神が発祥とされる「森稲荷神社」、参部(東町)には玉垣の刻銘に元漁師町の面影を残す「浪除稲荷神社·於(御)咲稲荷神社」。 初午祭とは、全国に約3万社あるとされる稲荷神社の総本社 京都伏見稲荷大社に祭神が降臨した言い伝えに由来した、2月最初の午の日の祭祀で、今年は暦の上では2月3日ですが、当地では2月28日10:00から、参部·弐部·壱部の順で、太鼓の音が響く中、住吉神社平岡宮司により、初午祭修抜式が執り行なわれました。 境内には江戸時代からの伝統である、成句や芝居の台詞などを捩った地口(駄洒落の一種で、発音の似通った語句に置き換え、違った意味に読み替えるなどして楽しむ言葉遊び)に、視覚化した画を描き添えた角型の「地口行灯」が飾られています。「ゑん満舌の力もち=縁の下の力もち」に、「閻魔大王が糸で結んだ石のようなものを舌で持ち上げる戯画」といった具合です。 神前には、油揚げのほか、酒、海の幸、山の幸等々の神饌が供えられ、前日に飾り付けられた、赤地に白く各稲荷神社名を染め抜いた数多くの奉納旗が風になびき青空に映え、舟入堀に映り込んでいます。