ちょっと気になる中央区の神社 ⑧
~ 幸稲荷神社 ~
リモートで、愛する中央区をナビゲートします、rosemary sea です。
「ちょっと気になる中央区の神社」シリーズ、第8回の今回は、幸稲荷神社(さいわいいなりじんじゃ)をご紹介します。
こちらも「銀座八丁神社めぐり」の1社です。
なお、このシリーズ、8月10日掲載の⑦ 八官神社 より間隔が開いてしまいましたが、今後は毎月1つずつ載せていきます。
そして来年3月にシリーズ終了を迎える予定です。
それでは・・・
ー 古くは太刀売稲荷(たちうりいなり)と呼ばれた神社 ー
江戸時代から続く神社で、京都伏見稲荷大社から勧請した。
古くは目抜き通りに鎮座し、その近辺で太刀の市が立ったことから、太刀売稲荷と呼ばれたこともある。
御祭神は宇迦之御魂神(うかのみたまのかみ)で、商売繫盛・家内安全・縁結びなどにご利益がある。
ー 歩いてわかる 中央区ものしり百科 より ー
白木に柔らかな明かりが似合う、厳かな神社です。
今回も江戸古典落語をご披露させていただきます。
第45回となりました。
今回は「太刀売稲荷」の「売」をキーワードとして、「しじみ売り」をチョイスしました。
<事前確認コーナー>
ねずみ小僧次郎吉(ねずみこぞうじろきち)・・・
江戸時代後期の盗賊、義賊として伝説化しています。
実は元吉原、現在の人形町の生まれ。
父親は歌舞伎の中村座で働いていました。
のちに捕まり、伝馬町の牢から市中引き回しの上獄門の刑に。
なお、墓は各所にあるとされていますが、一番有名なのは中央区から両国橋を渡った先の墨田区両国・回向院(えこういん)にある墓。
汐留川(しおどめがわ)・・・
浜離宮の脇にあった川。
金春新道(こんぱるじんみち)・・・
銀座8丁目の金春通り、またはその周辺ではないかと。
能の四家、いわゆる金春・観世(かんぜ)・宝生(ほうしょう)・金剛(こんごう)、全て現在の中央区内に屋敷を拝領していた中で、「金春屋敷跡」として説明版があります。
伝馬町の牢・・・
現在の中央区立十思(じっし)公園周辺にあった、今で言う「拘置所」。
小伝馬町の牢屋敷とも同じ。
凶状持ち・・・
凶悪犯罪で追われている者。
「しじみ売り」
表向きは茅場町の魚屋の和泉屋次郎吉、裏では義賊のねずみ小僧。
年末の大雪の日、ばくちで負けて舟で帰ろうと、新橋の汐留の船宿で酒を飲んでいます。
そこへ小さな子供のしじみ売りが。みすぼらしく寒そうな出で立ち。
しじみは売れ残っています。
次郎吉は残り全部を買い取って、そのしじみを汐留川に放させます。
子供に話を聞けば、病の母・姉の3人暮らし、とのこと。
姉はもと新橋の金春新道の小春という売れっ子芸者で、若旦那の庄之助といい仲になると庄之助は勘当となり、そのうち二人で江戸を離れることに。
箱根の湯治場で庄之助、いかさま賭け事で金を巻き上げられ小春までカタにとられそうになり困っているところ、隣りの部屋のある男がなぜか助けてくれて、路銀まで与えてくれた、とのこと。
ただ、その金は御金蔵破りの金だったことで、庄之助は伝馬町の牢に。小春は心労で母とともに病の床に。
それで弟がしじみ売りに歩いている、とのこと。
身に覚えのある次郎吉、助けた男というのは自分だったので。
かけた情けが仇(あだ)となったことを知ります。
子供に金と折詰を持たせて帰らせます。
次郎吉、凶状持ちの子分を身代わりにして、おおそれながらと願い出て庄之助を自由の身に。
晴れて庄之助は小春と夫婦となり、皆で仲良く暮らしたとのこと。
ねずみ小僧侠気の一席でした。
幸稲荷神社
銀座1-5-14
東京メトロ銀座線・丸ノ内線・日比谷線 銀座駅 B4出口を出て並木通りを銀座一丁目方向に約350m、銀座桜通りに突き当たる前の路地を右折、約20m先右側にあります。
なお、至近は東京メトロ有楽町線 銀座一丁目駅 6番出口になります。