中央区の名建築(6)日証館
日証館(中央区日本橋兜町1-10)は、東京証券取引所の北側、日本橋川沿いに建つ大型のビルです。
この地には、明治21年(1888)渋沢栄一邸が建設され、自宅や事務所として使用していましたが、
関東大震災で罹災、昭和3年(1928)、東京株式取引所により現在の日証館が建設されました。
鉄骨鉄筋コンクリート造7階建て、古典様式の三層構造、基壇の大きな石貼り、大小のアーチ窓が並ぶ
重厚な外観となっています。
設計は、横河工務所(横河民輔所長)です。
昭和21年(1946)に証券取引所ビルが米軍に接収されたため、約3年間、取引所取引に代わる
集団取引がこの日証館で行われたことがあり、戦後は最多で35社の証券会社が入居するビルとして
証券業界の歴史を担ってきました。
(現在は、平和不動産がこのビルを保有しています)
エントランスホール
「日証館」と書かれた正面のアーチを入ると、エントランスホール。
大理石の柱、折上げ天井が格調高い雰囲気を演出しています。
奥の窓からは、日本橋川が臨めます。
≪ エントランスホールには、平日のみ入館できます ≫
エントランスホールの天井意匠
天井の漆喰に描かれた文様とペンダントライト。
柱と梁の間には装飾された持ち送りが設けられています。
旧渋沢栄一邸と日証館の写真等展示
エントランスホール右奥には、「旧渋沢栄一邸」と「日証館」についての写真および説明板が
展示されています。