ちょっと気になる中央区の神社 ⑫
【屋上シリーズ ②】
~ 靍護稲荷神社 ~
リモートで、愛する中央区をナビゲートします、rosemary sea です。
ちょっと気になる中央区の神社シリーズ、第12回の今回は、靍護稲荷神社(かくごいなりじんじゃ)をご紹介させていただきます。
屋上シリーズとしましては第2回になります。
こちらも「銀座八丁神社めぐり」の1社です。
それでは・・・
御由緒
抑(そ)も当靍護大明神は今を去ること150年の昔、文化12年は如月(きさらぎ:2月)の午(うま)の日、山城伏見の本宮より勧請して江戸の根岸の里に奉安す。
爾来店主店族は素より江戸市民の深き信仰を蒐めて今日に至れり。
明治14年の或る夜神守の親爺は神殿附近に於いて白狐を認めたるが、その跡に一巻の掛軸遺留しあるを発見し怪しみて繙(ひもと)けば畏(かしこ)くも三州豊川稲荷大明神の尊像にてありしかば直ちにその由を店主に告げて神霊と共に奉祀して今日に及べりと伝う。
大明神は霊験洵(まこと)に顕(あらわ)にして特に火防の神として世々附近住民の難を救はせ給へる事一再に止らず。
近き例に徴するも去る大正12年9月関東大震災亦(また)大正14年3月日暮里の大火に当り既に危く見えたるにも拘らず神域社殿は勿論松坂屋舎宅の凡(す)べて無事なるを得たるは今尚世人の耳目に新たなる所なり。
昭和4年己巳(きし・つちのとみ)の春2月18日、二の午の吉辰を卜し(きっしんをぼくし※)日枝神社宮司に請うて神霊を分霊し地上80尺の本館屋上に奉安して茲(ここ)に遷座の式を行えり。
※ 吉辰を卜し・・・
良い日を占う、めでたい日を判断する。
松坂屋 銀座店跡
松坂屋銀座店は、関東大震災の翌大正13年(1924年)12月、銀座復興の先陣を切って、銀座初の百貨店としてこの地に開業した。
地上8階、地下1階、高さ約43mの建物は、当時、銀座一の高層ビルであった。
その後、増改築を重ね、街の近代化を示すランドマークとしての役目を担ってきた。
百貨店の大衆化を加速させた土足入場の実施、家族連れで楽しめる屋上動物園の開設、ファッションと機能性を先取りした制服の完全洋装化、モータリゼーションを見越したエレベーター式パーキングの併設・・・。
これらは、いずれも松坂屋銀座店が先鞭をつけたものである。
平成25年(2013年)6月30日「銀座六丁目10地区第一種市街地再開発事業」に基づき、90年の歴史に幕を閉じた。
ー GINZA SIX に鎮座される火防の神を祀る神社 ー
文化12年(1815年)、京都伏見稲荷大社から勧請して祀った神社。
根岸(現在の荒川区東日暮里)にあり、白狐が持ってきた豊川稲荷大明神尊像を祀っていると伝わる。
関東大震災時には、日暮里方面の大火から町内を守ったという言い伝えがある。
かつてこの地にあった銀座初の百貨店として開業した松坂屋銀座店が、昭和4年(1929年)、東日暮里にあった靍護稲荷神社の神霊を分祀したもの。
ー 歩いてわかる 中央区ものしり百科 より ー
銀座のビル街の中、GINZA SIX の屋上、とても眺めの良いところ、天空に建つお社です。
ガラス張りのフェンスが画像の右側にご覧いただけるでしょうか。
今回も江戸古典落語をご披露させていただきます。
第49回です。
靍護稲荷神社の「靍」の字には「鶴」が隠れておりますので、「つる」をチョイスさせていただきました。
「つる」
ご隠居のところに遊びにきた八っつあん、鶴の掛軸の話から、「鶴はなぜ日本の名鳥なんですか?」と聞きます。
ご隠居は答えます、「鶴は姿が優雅で美しい上に、一度雌雄のつがいになると他には目もくれず、生涯添い遂げる鳥だから」、と。
そして、「昔は鶴は『首長鳥(くびながどり)』と言ったんだ」とも。
八っつあん「ではなぜ『鶴』と呼ぶようになったんですか?」
ご隠居「大昔、白髪の老人が浜辺に立って沖合いを眺めていると、唐土(もろこし)の方から雄の首長鳥が一羽、『ツー』と飛んできて、松の木に『ポイ』と止った、そこへ雌の首長鳥が『ルー』と飛んできて、やはり松の木に『ポイ』と止った、だから『鶴』になったんだ」と。
ご隠居の家を出た八っつあん、この話をしたくて、熊さんの家へ。
八っつあん「大昔、白髪の老人が・・・」と話しはじめます。
続けて「唐土の方から雄の首長鳥が一羽、『ツールー』と飛んできて、松の木に『ポイ』と止った、そこへ雌の首長鳥が・・・さようなら」。
どこでどう間違えたのか、確認のために、ご隠居の家へ行ってもう一度教えてもらいます。
熊さんの家に戻り、「さっきの話だけど・・・」と続けます。
「大昔、白髪の老人が・・・唐土の方から雄の首長鳥が一羽、『ツー』と飛んできて、松の木に『ルー』と止った、そこへ雌の首長鳥が・・・黙って飛んできた」
靍護稲荷神社
銀座6ー10ー1
GINZA SIX 屋上