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ちょっと気になる中央区の神社 ⑬終
 【屋上シリーズ ③終】
 そして、 江戸古典落語 50作掲載【終】
  ~ 銀座出世地蔵尊 ~

リモートで、愛する中央区をナビゲートします、rosemary  sea  です。

 

ちょっと気になる中央区の神社シリーズ、第13回の今回は、銀座出世地蔵尊(ぎんざしゅっせじぞうそん)をご紹介させていただきます。

屋上シリーズとしましては第3回になります。

こちらも「銀座八丁神社めぐり」の1社です。

 

なお、2020年5月26日よりスタートしました『人形町駅から行ける、静かな佇まいの神社 全35回』、続く『茅場町駅・八丁堀駅周辺の静かな佇まいの神社めぐり 全10回』、そして『ちょっと気になる中央区の神社 全13回』、他番外編を含めて全60数回の神社シリーズは、今回をもちまして終了とさせていただきます。

併せて、『江戸古典落語 全50回』も最後の掲載とさせていただきます。

それでは・・・

 

御由緒

御由緒 ちょっと気になる中央区の神社 ⑬終
 【屋上シリーズ ③終】
 そして、 江戸古典落語 50作掲載【終】
  ~ 銀座出世地蔵尊 ~

銀座三越屋上に安置まします銀座出世地蔵尊は明治のはじめの頃、三十間堀より出世したと云われております。

当時、地元の鳶職が銀座4丁目3番地辺り(現在の7番地)の空地へ安置しましたところ、道行く人々や近隣の信心篤い人達が花やお団子を開運・出世・延命・商売繫昌のあらたかなご利益があると云うので、お堂も小屋から木造になり毎月7日、18日、29日がご縁日にきまりました。

ご縁日には、いろいろな露店が出て非常な賑いを呈して参りました。

これが銀座八丁露店のはじまりと云われております。

4月8日の釈迦降誕生日には甘茶の接待があり広く参詣者に親しまれましたが、その後震災・戦災などで火をくぐり波爛曲折を経てこの度、銀座三越が新築するに際して元の「美松」跡より屋上に移し、築地本願寺により開眼法要を行い新たな堂守に安置し銀座八丁の守り本尊として銀座の街の人々を中心に広く一般のご参詣を受けることになったのであります。

ご利益を祈願して成就せざることなしと伝えられる銀座出世地蔵尊の広大なる恩恵に浴するため一人でも多くのご参詣あらんことを願うものであります。

昭和43年10月

 

中央区教育委員会 説明板

中央区教育委員会 説明板 ちょっと気になる中央区の神社 ⑬終
 【屋上シリーズ ③終】
 そして、 江戸古典落語 50作掲載【終】
  ~ 銀座出世地蔵尊 ~

銀座出世地蔵尊の縁日といえば、その賑わいは大変なもので、明治・大正・昭和の初期にかけて夜店とともに銀座を代表する風俗であり、銀座について書かれた書物にもよく触れられ、その様子をうかがい知ることができます。

地蔵の由来について、明治9年7月22日の『郵便報知』には「銀座三丁目の横町に此程流行する地蔵尊ハ去る文久元酉年7月18日三十間堀壱丁目六番地先き古土蔵取繕の節同所鳶頭田中善太郎が地中より堀出し・・・・」とありますが、詳しくは不明な点が多く、また、「出世地蔵」という名称のいわれも諸説あって、その時期についても不詳です。

この銀座出世地蔵尊は、時代の変遷のなかで煉瓦街や夜店が失われた現在の銀座において、明治からの面影を伝える貴重なもので、中央区民有形民俗文化財に登録されています。

 

 ちょっと気になる中央区の神社 ⑬終
 【屋上シリーズ ③終】
 そして、 江戸古典落語 50作掲載【終】
  ~ 銀座出世地蔵尊 ~

「歩いてわかる 中央区ものしり百科」によりますと・・・

・・・地蔵尊は石造で、立像(りゅうぞう)が浮き彫りにされている。・・・本体の傷みが激しいため、現在は三越銀座店9階銀座テラスの六角堂内に安置されている。・・・

と、示されています。

 

 ちょっと気になる中央区の神社 ⑬終
 【屋上シリーズ ③終】
 そして、 江戸古典落語 50作掲載【終】
  ~ 銀座出世地蔵尊 ~

三囲(みめぐり)神社

 

弘法大師の建立と伝えられ、守迦之御魂命(うかのみたまのみこと)をまつる。

文和年間に社殿再建の折、白狐が御神体を三度めぐったと言う故事により「みめぐり」と呼ばれる。

尚、三井家(三越の前身)の守護神として三越本支店、屋上に祭られ、又御神体は向島言問橋(ことといばし)近くの御本社に安置されている。

 

 ちょっと気になる中央区の神社 ⑬終
 【屋上シリーズ ③終】
 そして、 江戸古典落語 50作掲載【終】
  ~ 銀座出世地蔵尊 ~
 ちょっと気になる中央区の神社 ⑬終
 【屋上シリーズ ③終】
 そして、 江戸古典落語 50作掲載【終】
  ~ 銀座出世地蔵尊 ~

ここ三越銀座店の1階、左側にライオン像のある正面入り口の右側柱上部には、銀座出世地蔵尊の案内板が掲げられております。

 

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 【屋上シリーズ ③終】
 そして、 江戸古典落語 50作掲載【終】
  ~ 銀座出世地蔵尊 ~

今回も江戸古典落語をご披露させていただきます。

2020年5月26日に「人形町駅から行ける、静かな佇まいの神社 ⑧」に第1回「まんじゅうこわい」を載せて以来、第50回を迎えることとなりました。先に申し上げましたとおり、江戸古典落語も今回を最終回とさせていただきます。

今回は「銀座出世地蔵尊」の「出世」からのチョイスとなりますが、出世噺は既に、

◎ 2020年7月22日「人形町駅から行ける、・・・ ⑬」第6回 「中村仲蔵(なかむらなかぞう)」

◎ 2021年8月10日「ちょっと気になる中央区の神社 ⑦」第44回 「淀五郎(よどごろう)」

と、2作載せております。

どちらも歌舞伎に関する噺でしたが、今回は「八五郎出世(はちごろうしゅっせ:別題は妾馬【めかうま】)」を選びました。

 

 ちょっと気になる中央区の神社 ⑬終
 【屋上シリーズ ③終】
 そして、 江戸古典落語 50作掲載【終】
  ~ 銀座出世地蔵尊 ~

「八五郎出世」

 

お鶴は18、母親と兄の八五郎の3人で長屋暮らし。

親孝行で兄思い、器量も気立ても良い娘。

ある日、長屋の前を通りかかった大名・赤井御門守(あかいごもんのかみ)の駕籠、その御門守にお鶴は見初められます。

家老の三太夫が訪ねてきて、大家の仲立ちのもと、支度金をもらい、お鶴はお屋敷へ奉公に。

ほどなくお鶴は懐妊、世継ぎを産んで「お鶴の方」に。

 

一方、兄の八五郎は相変わらずの酒・博打、遊び放題の日々。

そこへ「お鶴の方さまの願い」とのことで、八五郎はお屋敷に呼ばれることに。

支度金は既に使い果たした八五郎、大家の計らいで羽織袴を借ります。

大家からは言葉遣いの注意も受け、お屋敷へ出かけます。

 

八五郎、家老の三太夫に案内され、大広間へ。

そこへ御門守がお鶴を伴い現れます。

御門守「鶴の兄、八五郎とはその方か?」

声を掛けられてもあがっていて返答ができません。

御門守「これ、即答をぶて」

これを「側頭をぶて」と聞き間違え、いきなり三太夫の側頭をポカリ。

 

その後も仰々しい言葉遣いの八五郎に対し、御門守は「今日は無礼講であるから、朋友に申すごとく遠慮のう申せ」と、ありがたい仰せ。

これで調子に乗った八五郎、べらべらとしゃべり出します。

 

盃を重ねるうち、したたか酔った八五郎、そこで初めて子を抱くお鶴に気付きます。

急にしんみりとなり、「こんなお鶴を見れば、婆さん喜んで泣きゃあがるだろう、初孫を抱きたいだろうがそれはなるめぇ、こんなごちそうを一度食わせてぇものだ、・・・おいお鶴、しくじんなよ、子ができたからってうぬぼれてはいけねぇ、・・・殿さま、こいつは気立てのやさしいいい女です、末永くかわいがっておくんなせぇ」と、感極まります。

 

一同しーんとなったところで、景気直しとばかり八五郎、都々逸をうなり出します。

「なーんてなぁどうでぇ?、殿公」、もう無礼三昧です。

 

ところがそんな八五郎を気に入って、御門守は侍に取り立てます。

鶴の一声、八五郎出世というおめでたい一席。

 

銀座出世地蔵尊

銀座出世地蔵尊 ちょっと気になる中央区の神社 ⑬終
 【屋上シリーズ ③終】
 そして、 江戸古典落語 50作掲載【終】
  ~ 銀座出世地蔵尊 ~

銀座4-6-16

三越銀座店屋上