「平成」最後の歌舞伎の開幕ですー四月大歌舞伎ー歌舞伎座
何にでも「平成最後」と付けられるのには少し飽きられた向きも多いかと思いますが、その「平成最後」の歌舞伎興行が始まっています。
昼の部の幕開きは「平成代名残絵巻(おさまるみよなごりのえまき)平成最後の歌舞伎座公演の幕開きを飾る新作です。でもこちらは次回のお楽しみ。私がやってきたのは夜の部です。仁左衛門さんの「実盛物語」、颯爽とした知と情に溢れた役はやはり当たり役。今回は先月に続いての歌舞伎座出演の寺嶋眞秀くんが太郎吉に扮し、台詞も多いし、舞台に出ずっぱりの重要な役を勤めています。歌舞伎座の入り口受付にはお母さまの寺島しのぶさんの姿も見えました。猿之助さんの「黒塚」は美術も素晴らしく、幕が開くと暗い舞台の上手に長唄連中の姿と正面には一軒のあばら家が浮かび上がります。家の中で糸を紡ぐ老婆がシルエットになっていて思わず引き込まれます。月光を浴びながらの薄の原での踊り、花道では顔正面から垂直に倒れる「仏倒れ」も見せ、猿之助さんの独擅場です。私の周りは殆ど猿之助ファンらしくおまけに皆さん顔なじみのようで大変な盛り上がりでした。夜は珍しい「二人夕霧」、「吉田屋」のパロディで夕霧を請け出した伊左衛門が「傾城買指南所」を開いているという設定がまず笑えます。
昼の部は先ほどの「平成代」の他「野崎村」「寿藤末廣」「鈴ヶ森」です。
演目に因んだお菓子を見つけました。「黒塚」の舞台とされている奥州安達ケ原のある二本松市安達ケ原の菓子舗九頭見菓子舗の「黒塚焼き」というソフトクッキー(5枚入り600円)です。
6月のチラシは「令和元年」になりました。ちょっと感無量です。
「四月大歌舞伎」の千穐楽は平成31年4月26日です。お問い合わせはチケットホン松竹0570-000-489 (10時―18時)