築地「江戸文字 津多屋商店」でプライス・レス!
昭和6年(1931年)創業、築地の「江戸文字 津多屋商店」といえば
中央区主催の「わくわくツアー」まち歩き産業コースのひとつであり、
築地・明石町界隈を散策するなら、欠かせない立ち寄り処です。
「江戸文字」は、江戸時代から盛んに使用されてきた図案文字の総称で
書体によって別々の名称を持ち、歌舞伎、寄席、千社札、相撲、提灯、印鑑など
使用される用途も違っているそうです。
ところで皆様は「カリグラフィー(calligraphy)」をご存知でしょうか?
カリグラフィーの語源は
ギリシア語の「CALL(美しく)」と「GRAPHEIN(書くこと)」に由来しており、
その美しい文字表現は、ヨーロッパや中東では
グリーティングカード、名刺、看板、表札などに多用されてきました。
文字を美しく魅せ、意味を持たせる書法という面で、東西、共通する部分がありますね。
三代目店主の加藤木さんは幼少の頃から、書道、江戸文字に触れて育ち、家業を引き継いでからは
「江戸暖簾」「江戸千社額」「初荷旗」「提灯」「手拭」「印半纏」など、
江戸文字の美と、そこから派生する文化を担った商品を取り纏めて職業になさっています。
しかし、今回フォーカスするのは加藤木さんの奥様、かずみさん。
お二人の仲の良さと、明るくて寛げる雰囲気に
用件など無くても気軽に立ち寄って、お茶飲み話しをして行く人が絶えませんが
かずみさんは接客だけではなく、内助の功で加藤木さんの仕事を下支えしているのです。
店内、ロフト上の作業場には業務用ミシンが設えてあり、
外部へ発注しない布製品は、奥様が作成、仕上げを行います。
例えば、特注した手拭は、数十本~数百本単位で仕上がってくるわけですが、
その中の数枚を使用して、暖簾や巾着袋等も別注オーダー出来ます。
かずみさんのセンスにお任せすれば、手拭の柄の特徴を活かした
「オンリー・ワン」に仕立てて貰えるのです。
また、コロナ渦でも「何か、ときめいて実用性がある物を」と考案されたのが
『満寿久(ますくいれ)』
暖簾用の発色の良い厚手の布地を用いて、アクセントに真田紐、くるみ釦。
マスクだけでなく、通帳や携帯電話を入れて、さっとお出掛けするのにも便利です。
さて、わたしは同じ築地六丁目町内会なので、お店前を通る時、必ずひと声掛けますが
お互い手仕事(手芸)好きなので、いつも談議に花が咲きます。
そんなある時「これ、何かに使う?」と端切れ布を大量に持たせてくれました。
さあ、どうしたものか。。。
わたしは手縫いでの布繋ぎが好きだけれども
裏地を付けたり、立体的に仕上げるのが不得意。
かずみさんは、業務用ミシンでダダダダダと仕上げるのが得意だけれども
パッチワークは面倒で無理~。
と言うわけで、利害関係が一致した結果のコラボ作品を、ぜひご覧ください!!!
これはプライス・レスの非売品。
大きい方(左)はかずみさんの、小さい方(右)はわたしの所有となりました。
加藤木さんも奥様も、創る喜びを存分に楽しみ、分かち合ってくださるので
人生の節目に「ばしっと決めたい!」「別格な贈り物をしたい!」と思い立ったら
ぜひとも、オリジナリティ溢れる逸品をオーダーしてみませんか?
「江戸文字」のデザインからとなるとデザイン料も発生し、決して安価ではありませんが
唯一無二の宝物が、人生を豊かにしてくれますよ。
*もちろん、特注品だけでなく、店内にはすぐに購入可能なお品もあります!