Silver Fox 007

思いがけないところで築地

これ、何だと思います? 株式会社東京築地活版製造所が製造した印刷機の部分です。TSUKIJIという文字が見えますか? 説明板には1909年製とありました。

どこで見たかというと、何と!愛知県犬山市にある明治村で。
かねてより、明治村に移築保存されている帝国ホテル旧館を見たいと思っていて、COVID-19感染症が下火になるのを待ってでかけました。建物メインの見学なのでほぼほぼ屋外だし、広大な敷地で密を回避できるであろうという予想のもとに。
そうしたら、思わぬところで築地に遭遇しました。

活字発祥の地 築地

活字発祥の地 築地 思いがけないところで築地

築地本願寺の本堂を背中に、築地京橋小学校の脇を銀座方向に歩くと、ビルの敷地に活字発祥の碑があります。1873年(明治6)に平野富治が長崎新塾出張活版製造所(のちの東京築地活版製造所)を興したとのことです。中国の活字を起源とし、長崎にて日本独自の工夫がこらされ、明治維新とともに発展を遂げたのはこの築地にて、と築地居留地研究会の定例会で学びました。その時もへぇ~!そうだったのか!といたく感心しましたが、明治村でこの印刷機に出会ったのは、その時のへぇ~!を上回る!!!の数!

 思いがけないところで築地

株式会社東京築地活版製造所、No.12と銘板のあるこの機械は、明治村4丁目の鉄道寮新橋工場(機械館)内にありました。そこには明治期の日本の産業発展を示す機器類が展示されています。ちょうどNHK大河ドラマ「晴天を衝け」で富岡製糸場が出てきた後だったせいか、遠足と思われる小学生たちは紡績機に注目していましたね。
今やご家庭で簡単に文書が印刷(プリントアウトと言わないと通じないかも)できるのが当たり前の世代には、この大きな機械はびっくりでしょう。
思いがけない出会いに感動しつつ村内を回っていたところ、またまた中央区関連の名前を見つけました。


妻木頼黄 です。中央区観光検定の受検を考える方には常識問題の、日本橋の装飾・麒麟と獅子のブロンズ像をデザインした建築家です。どこで遭遇したかというと、同じく4丁目、日本赤十字社中央病院病棟の展示室内です。1912年(大正1)10月竣工の日本赤十字社本社の外観図(説明板には透視図とありましたが、どう見ても外観に見えます)に、設計者とありました。ブロンズ像のイメージが強かったので、建築家としての認識を新たにすることができました。
中央区にちょっとでも関連する事象に反応するような体質になっちゃったのですかしらね(苦笑)。
いずれにしても、思わぬ出会いもあった丸一日を堪能しました。ええ、もちろん、帝国ホテル旧館もばっちりです。

With コロナの今日この頃、感染対策油断なく日常を取り戻していきたいですね。