平成通りに聖誕節がやってくる
すっかりと寒さが広がり、冬のさなかとなりました。風に吹かれて木々の葉もどんどんと散っていきます。師走のせわしなさと、暮れていく一年の想いが重なって、少しメランコリックにさえなりそうですが、日差しの明るさに励まされる小春日和の日もあって、それはまた心が温かくなります。
京橋築地小学校ではクリスマス会を知らせる掲示がありました。いよいよそんな季節ですね。この小学校のある〔平成通り〕は平成元年にネーミングされました。昭和63年から平成の初めにかかて、中央区では区内の様々な道路に愛称をつけることにしましたが、その際に兜町から晴海通りまで貫くこの道が〔平成通り〕と名付けられました。
そんな通りに面してひときわ個性的な外観を見せるのが〔宮川食鳥鶏卵〕の建物です。1929(昭和4)年に建てられた木造建築ですが、防火のための銅板を壁に貼り付けています。関東大震災の後にあちこちでこのような建物が設けられたようですが、今残っているのは少なくなりました。このお店の銅板は意匠もすばらしく、貴重な存在といえるでしょう。「東京都選定歴史的建造物」に指定されています。
〔宮川食鳥鶏卵〕は今週はきっと大混雑です。聖誕節(クリスマス)に質のいい丸鶏を買い求めたいというお客さんが例年押し寄せるからです。〔平成通り〕にできる行列は築地の町の歳末の風物詩にもなっています。ほかほかの料理を味わうあたたかな家庭の様子を想像しながら、今日もこの道を歩いてみます。