中央区、お寿司屋、数あれど・・・
人形町「太田鮨」をめざす理由
東京23区で一番お寿司屋さんが多い区が中央区。その数493軒(注)。お江戸日本橋に300年続いた魚河岸がありました。そのあとの築地市場も中央区内ですから納得です。
かって、芳町と呼ばれた日本橋人形町は魚河岸から棒振り(行商人)が新鮮な魚を担いで回った街。冷蔵設備がない時代、生のお魚を口にするのは贅沢なことでした。
その人形町一丁目にある、昭和2年に建てられたレトロな建物が太田鮨。大観音寺脇の路地、大正・昭和の香りが残る「芸者新道」の突き当りです。
鮨を食するのに、ぴったりな場所じゃございませんか。
(注)令和3年4~6月期に寿司屋として営業届けが出されていた件数。中央区保健所生活衛生課調べ。
五サイズ、一気盛り
ふつう、気持ち小さめ、しゃり小、極小、極々小
太田鮨の評判は聞いていました。しゃりが普通より3倍大きい;ネタが2~3倍大きい;ネタの下にネタがある;握りの大きさに「普通、気持ち小さめ、しゃり小、極小、極々小」がある、などなど。
おのずと興味はサイズに向かいます。
「先代が開店した、昭和30年当時は食糧事情のせいか、たくさん食べる人が多かった」、「お客が食べるのを見ていたら、だんだんと握りが大きくなった」のだそうです。
今でも、満足してもらいたくて基本は大きな握り。「でも、今は体が大きいからって、たくさん食べるわけではなく、かえってふくよかな人はあまり食べない」。握りをだんだん大きくしていった先代に対し、2代目はお客の多様化に合わせてダウンサイズしていきました。
おのずと興味はダウンサイズに向かいます。
本音は全サイズを把握したいのですが、すべて違う大きさで握ってとは、さすがに言えません。「お店を中央区観光協会特派員ブログで紹介したい」と申し入れ、「握りの大きさに興味があります」と持っていくと大将の方から5種一気盛りを申し出てくださいました。
① ふつう握り 10cm ② 気持ち小さめ 8cm
③ しゃり小 6cm ④ 極小 5cm
⑤ 極々小 4cm
大きさを測るという失礼迄お許し下さり、ありがとうございました。
まぐろの2階建て
太田鮨にはマグロの握りを楽しみにやってくる人が多いそうです。ネタの大きさ、よさだけではなく、マグロとしゃりの間に入ったすき身(後頭部に近い肉)がお目当て。異なった食感が同時に味わえます。
玉子焼きもユニークです。玉子焼きだけを出していたら、お客さんがご飯と一緒に食べたいというので、周りを 5mmぐらいのしゃりで巻くようにしたそうです。
リーゼント大将、ハーレー・ダビットソンで豊洲市場通い
表に停めてあるハーレーが仕入れに使う足。魚ケースが平積みできる特製の荷台がハーレーにマッチしています。 そして、それにぴったしな大将のヘアスタイル。
どうです、人形町の太田鮨、ユニークでしょう?
カウンター8席、小上りテーブル1。ランチ(3000円)は11時から。早い時間の方が混んでいるそうです。夕食は予約のみ:握り(お通しと小鉢)8000円。刺身、焼き魚と握り(お通しと小鉢)11000円
日本橋人形町1-5-2 日本橋小学校斜め前 03-3666-6415
※掲載に当たりお店の了解を得ています。