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銀座のお茶プロジェクト、美作のお茶来る!

銀座のお茶プロジェクトとは、一般社団法人日本茶アンバサダー協会による事業で、都心に住む方々に日本茶と接する機会を創出しようと、2014年から銀座の屋上でお茶の木を育てています。2018年からは松屋銀座との協働プロジェクトとなり、松屋銀座の屋上で栽培されています。
今回、お茶の木の入れ替えにあたり、岡山県美作市の海田(かいた)地区のお茶の木が選ばれ、「美作のお茶、銀座へ 『美作茶植樹会』」が開催されました。植樹会の3月20日は東京で桜の開花が発表され、陽射しが燦々。晴れ舞台となりました。コロナ対策のため関係者のみ参加の中、中央区観光協会職員の方と共に若木を植えるチャンスをいただきましたので、ご報告します。

なぜ美作のお茶の木?

なぜ美作のお茶の木? 銀座のお茶プロジェクト、美作のお茶来る!

岡山県美作市海田のお茶と聞いて、「はい、あそこの!なかなか手に入らないのよ。こくがあって美味しいお茶なんだから!」とピンとくる方は、相当な日本茶通。
私が美作と聞いて思い浮かべたのは、作州という江戸時代の呼び名。時代劇の見過ぎ?(苦笑)
美作市は岡山県北東部に位置し、東は兵庫県、北は鳥取県に接する中山間地帯とのこと。広さは中央区の43倍、人口は1/8くらい、剣聖・宮本武蔵の出生地だそうです。

さて、美作市のなかでも東、兵庫県に接する位置にある海田地区は、室町時代から宇治などと並び称された美味しいお茶の産地。現在では栽培量は少なく、知る人ぞ知る秘茶なのだそうです。過疎化・高齢化はこの地でも進み、茶樹栽培農家は4軒となり、伝統のお茶づくりの存続が危ぶまれています。
植樹会開会のご挨拶で日本茶アンバサダー協会代表理事の満木さんは、海田の美しい茶畑とお茶の美味しさにほれ込んだこと、そして「消えてしまったものを復活させることは難しい。消してはいけない」と、今回の植樹に選んだとおっしゃっていました。さらに、「お茶は根付くまでが勝負、一度根付くとその地を離れない」とも。
うん、私もそう思う!お茶だけの話じゃないですね。根付くまでの心配りと、繋ぐ仕掛けが大事だなと思いました。

映画とのコラボレーション

映画とのコラボレーション 銀座のお茶プロジェクト、美作のお茶来る!

そして今回の植樹は、映画とのコラボレーションです。
美作のための小説と映画を全国に!という構想から「美作創生映画『透き通った風が吹いて(仮)』」はスタートしました。あさのあつこさん(美作市在住)著「透き通った風が吹いて」(2015年発刊)に続いて、大谷健太郎さん(美作市出身)監督・脚本で小説の数年後を描いた映画を実現するために「みまさか創生映画実行委員会」が2016年3月に発足。美作の美しい風景の中での物語を映画にしたいと考えておられたそうです。日本茶アンバサダー協会が日本茶と映画のコラボレーション事業の事業監修を務めています。

植樹に続いて、大谷監督(写真中央、右はプロデューサーさん)から海田地区の美しいお茶畑が浮かび上がってくるような映画紹介のお話がありました。当初は2017年撮影開始の予定が、様々な状況、特にこの2年はコロナ禍により延び、ついに来月、4月末から撮影開始、2023年秋には一般公開だそうです。主演者や共演者のお名前は情報解禁前のため秘密だそうで、気になるなぁ。
あさのさんの小説を読まれた方も多いと思いますが、主人公は海田のお茶の製造販売元の次男坊・高三生。主人公が自分にはお茶のにおいが自然と染み込んでいる、と内省するくだりが私には印象的で、どんな俳優さんが演じるのかワクワクしています。

 銀座のお茶プロジェクト、美作のお茶来る!

この日の植樹会では、たくさんの人びとの想いを感じました。
美作市職員の方々(写真左のお二人)は美作市の良さ、純粋さが人の形になったかとお見受けしました。どうしたら美作の良さを引き継ぎ広めて行けるだろうと一生懸命になっている、原作の主人公の兄に重ねてしまいました。
日本茶アンバサダー協会(写真右端が代表理事)のみなさんのお茶への愛情は、さすがの腕前で入れてくださったとびきり美味しい海田茶に現れていました。
茶樹提供の海田園黒坂製茶の黒坂さんは、ビデオレターと茶葉そのもの・製品を通してお茶への想いを伝えてくださいました。
松屋銀座の方々(写真右から2人目)からは、老舗百貨店が発信するより良い日常、より良い未来への貢献という使命感と誇りが伝わってきました。
そして映画に携わる皆さんの、表現したいことや美作への敬愛の気持ち。延期の期間に辛抱強く温めてきた日々を思うと、順調な撮影と来場観客満員御礼を心より願っています。海外には日本茶ファンが増えていますよね、映画も海外で高評価を受けますように。
私は原作に出てくる湯郷温泉に浸かり、奈義牛のステーキも食べたくなりました。行ってみたいところリストに入れておきます。映画公開のあとはロケ地巡りの人で一杯かもしれないですね。

 銀座のお茶プロジェクト、美作のお茶来る!

美作より気温も高く、厳しい生育環境かもしれないけれど、松屋銀座の屋上の海田茶、無事に根付いて育ってほしいものです。夏も近づく八十八夜、5月1日ごろには成木からも若木からも新緑の葉が伸びているのを見たいですね。
我ら中央区観光協会が植えた鉢は、たぶんこの一番右端、壁際の若木2本の鉢じゃないかなぁ。
人形町は佐倉藩藩邸に根付いた茶の木の名残を留める茶の木神社(火伏にご利益だそうですが)にお参りして、遠路銀座にやってきた美作のお茶の根付きをお守りくださるようお願いしました。もちろん、松屋銀座の屋上に鎮座まします龍光不動尊も、新来の店子をお守りくださるでしょう。
記事を読んでくださった皆さんも、銀座へお出かけの際は松屋銀座屋上へお運びください。お茶の木や菜園が季節を教えてくれます。

記事掲載にあたっては日本茶アンバサダー協会さんはじめ関係各位のご了解をいただきました。

関係機関のURLは以下の通りです。日本茶アンバサダー協会の活動や美作市の観光、お茶など、詳しく知りたい方はぜひご参考になさってください。
主催:一般社団法人日本茶アンバサダー協会http://www.nihoncha.org/
   美作市http://www.city.mimasaka.lg.jp/index.html
茶樹提供:有限会社海田園黒坂製茶https://kaitaen.com/
協力:株式会社TBSスパークルhttps://www.tbssparkle.co.jp/
   株式会社松屋https://www.matsuya.com/ginza/