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2022「躑躅燃ゆ」

 2022「躑躅燃ゆ」

 日に日に木々の緑が濃くなり、表情が変化するこの季節は、殊に自然の息吹きを肌で感じ、緑に潤いと安らぎを覚えます。    若葉の緑が目に沁みる季節の主役のひとつ、区の花にも選ばれているツツジが公園や街路の植え込みを鮮やかに彩っています。   浜離宮恩賜庭園内でも、随所に植栽されているツツジですが、大泉水畔の特徴的な "丸刈り樹形" の鮮紅色のツツジが目を引きます。 ツツジ(躑躅)はツツジ科ツツジ属の常緑/半常緑/落葉性の植物の総称で、日本に自生し、低木~小高木、野生種は約50種を数え、多くの栽培種があるとされます。                  古来、和歌·俳句に詠まれ、育種も進み、親しまれてきた植物です。主な園芸品種にはキリシマツツジ(クルメツツジを含む)、リュウキュウツツジ、ヒラドツツジ、オオムラサキなどがあります。一般にアザレアの名で呼ばれる西洋ツツジにも多くの品種があります。                  尚ツツジの語源としては、①花が次々と咲く様子から「ツヅキサキギ(続咲木)」、②花が筒のように咲く様子から「ツツサキ(筒咲)」、③ツヅリシゲル(綴茂)、④蕾が女性の乳頭に似る様子から「タルルチチ(垂乳)」、⑤粘りがあり、手にツキツキ(付付)てジッとつく様子から、⑥チョウセンヤマツツジを指す朝鮮語由来 と諸説あるようです。                                虫媒花のツツジ属の花弁には、蜜の在り処を示す斑点状の蜜標(ネクターガイド)が見られ、雄蕊と雌蕊の先端は蜜標の向きに曲がっています。