平和都市・中央区より世界平和を考える
~中央区内の平和モニュメント巡り~
こんにちは。アクティブ特派員のHanes(ハネス)です。
8月というと、海水浴、夏祭り、お盆、花火大会などの行事をイメージしますが、平和について考える月でもあります。
1944年7月にサイパン島が陥落して以来、日本本土も空襲に晒されるようになりました。
1945年8月13日には、京橋区の各所が中央区域内最後の空襲を受けるなど、第二次世界大戦で中央区が被った被害は甚大。
そのような出来事を踏まえ、中央区は1988年に「中央区平和都市宣言」を告示。
平和が人類の繁栄の礎であることを確認し、区の施策に平和の理念を反映させ、世界の恒久平和に区が貢献することを内外に示したのです。
それにより、区内の数か所には平和への願いを込めたモニュメントが設置されています。
平和像「二コラ」(中央区役所敷地内)
制作者:朝倉響子氏
制作者について:東京文化財研究所「朝倉響子 日本美術年鑑所載物故者記事」https://www.tobunken.go.jp/materials/bukko/818746.html(2022年8月2日閲覧)
中央区内にある朝倉響子氏の作品について:海舟さんの記事『ジル』(2009年6月12日付)
平和の鐘(八重洲通り中央分離帯内)
製造メーカー:オランダ・ロイヤル・アイスバウツ社
中央区内の鐘について:過去記事「鐘が奏でる現役時代の物語」(2019年2月21日付)
※一部リンク切れが発生しております。ご了承ください。
平和都市宣言碑(佃公園内、あかつき公園内、日本橋浜町公園内)
「中央区平和都市宣言」が刻まれています。
月島第二児童公園平和モニュメント(月島第二児童公園内)
区立小学校16校の子どもたちが作成した原画をもとに、障がいのある方々がモニュメントの制作に協力して完成しました。
江戸こまた(蛎殻町公園内)
制作者:流政之氏
ちなみに中央区内に設置されている流氏の他の作品は、これまでに何度かご紹介してきた銀座の恋の招き猫 コイコリン「のんき・ごろべえ」(三愛ドリームセンター)のほか、「波除け獅子」(阪和興業株式会社)、「風雪100年」(朝日新聞社)があります。
(日本IBM本社には「たんま」像がありましたが、本社が六本木から日本橋箱崎町に移転した際、像は幕張事業所にお引越ししたそうです。(IBM Japan公式Facebookより(2022年8月2日閲覧))
「波除け獅子」
彫刻の裏に由来の案内板があり、世界有数の彫刻家・流政之先生の作である旨が記されています。
晴海第三公園平和モニュメント(晴海第三公園内)
平和モニュメントの中では最も新しく、「スポーツと平和の祭典」の開催を契機に、2020年7月12日に竣工されました。
月島第二児童公園内のモニュメントと同じく、区立小学校全16校の子どもたちが作成した原画をもとに、障がいのある方々が制作に協力して完成しました。
また、中央区が設置した平和モニュメントではありませんが、京橋にある第一生命保険110周年を記念して建てられた「相互館110タワー」の地上階の展示でも、戦中・戦後の京橋区・日本橋区(現・中央区)の様子をうかがい知ることができます。
1946年2月28日には当時の天皇陛下が都心部の焼け跡を視察され、その途中で第一相互館(相互館110タワーの前身)にも立ち寄られたそうです。
陛下は、当時の社長の案内で屋上の展望台から焼け果てた市街をご覧になり、社長に「このごろ保険の申し込みはどんな状態か」「この建物は大震災のときにも無事だったんだね」などとご質問されたといいます。
1988年、中央区は永遠の平和を願い、平和都市であることを宣言しました。
それから34年後の2022年。私たちは、平和が当たり前ではないという現実に直面しています。
終戦の月である今月は、改めて平和について考えてみませんか?