一歩

「隅田の花火」というガクアジサイ?

 先日、東日本橋地区を歩いていたら、中央区立日本橋中学校脇の植え込みに、「隅田の花火」の案内板を見かけました。ここは言わずと知れた、江戸時代に両国広小路として整備され、「隅田川の花火」が打ち上げられにぎわった一角です。説明版の説明によりますと、ガクアジサイの一種で「装飾花は星形で花火のように飛び出す」とのこと。誰が名付けたのか知りたくて、案内板にあるQRコードにスマフォをかざしてみると、

 “アジサイ収集研究家の山本武臣が1977年に横浜の職人の庭で見出し、「花火のアジサイ」の名前で発表したものだといいます。その庭に入れた植木屋については情報がなく、来歴は不明です。「隅田の花火」はサカタのタネによる販売名。”

日本の在来種?

日本の在来種? 「隅田の花火」というガクアジサイ?

 また、

“シーボルトの日本植物誌には装飾花の花柄が長いガクアジサイの図がある。山本は日本にはそのようなアジサイがある事に自信が持てないでいた。この品種の発見により疑問は解消し大きな感動を得た。”

とありました。ということはシーボルトも注目した日本の在来種ということ?ではなぜ、適材適所といわんばかりに、ここにあるのでしょうか?また、案内板には花の時期が「初夏」と書いてあって何回か訪れましたが、これまで一向に花が咲く気配を感じられませんでした。お寺などのアジサイは盛りが過ぎようとしているのにも関わらず。そこでダメもとで、管理しているのであろう、中央区環境土木部水とみどりの課に伺ってみました。

 

 

御幸通りの植え込みに植栽

御幸通りの植え込みに植栽 「隅田の花火」というガクアジサイ?

 同課によりますと、日本橋中学校に続く、(昭和天皇が関東大震災後の復興状況を視察するため臨幸された)御幸通り沿いの植え込みに、昨年3月と今年3月の2回に分け、他の植木などとともに点在して植栽したということです。私が見つけたのは今年3月に植えたもので、花が咲くにはまだ幼かったようです。先日、現地を訪れて昨年3月に植えた場所を探すと、花をつけた「隅田の花火」がありました。しかし大半が盛りすぎ、わずかに花が残っているのも探すのに一苦労でした。「隅田の花火」が植えられた場所は私が数える限り12カ所。来年こそ一斉に咲き誇り、鮮やかに咲き誇る「隅田の花火」を見たいものです。

 

中央区立日本橋中学校

 ・住  所  中央区東日本橋1丁目10-1

 ・最寄り駅  都営浅草線日本橋駅【B3】出口から徒歩約3分