Hanes

初訪問・下町の風物詩「せともの市」レポート
~お気に入りのせとものを探して~


こんにちは。Hanes(ハネス)です。
しばしばしばたさんキタムラリョウさんが既にご紹介された通り、8月1日から3日にかけて水天宮交差点から人形町交差点までの歩道で「第67回 せともの市」が開催されました。
新型コロナウイルス感染症の影響もあり、日本橋人形町にせともの市が戻ってきたのは3年ぶり!
私にとっては今回が初の「せともの市」ということで、待ってましたとばかりに初日に足を運びました。

「せともの市」とは

「せともの市」の歴史は江戸時代にまで遡ります。
日本橋人形町一帯は江戸の生活物資の集積地として栄え、日本一の陶磁器市場として戦前まで賑わいを見せていたという背景があります。

この陶器市に出展するのは、日本橋蛎殻町・浜町・人形町に店を構える卸商社をはじめ、窯元や作家の方々。
8月1週目の3日間開催される下町の風物詩として、多くの方々に親しまれています。

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また「せともの市」と開催日を同じくし、愛知県瀬戸市より分神されている「陶彦(すえひこ)大神」の例祭も執り行われます。
この神棚の前では、初日と最終日に身延別院妙成寺の住職によって、破損した器のカケラに感謝し、年に一度供養する「カケラ供養」が行われます。

最近は数こそ減りましたが、お気に入りのお皿やマグカップをうっかり割ってしまうと結構ショックを受けるものです。
しかし、「陶彦大神の例祭のいわれ」に書かれていた「形があればこわれる時がくるもの」という一言に納得。
壊れてからも感謝し、供養することで、また素敵な陶器と巡り合えるような気がしました。

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せともの市レポート

今回は初めて「せともの市」を訪れたこともあり、新鮮な発見ばかりでした。
今後初めて「せともの市」に行こうと思っている方に向け、その市の様子をレポートしたいと思います!

■お得に陶器が買えるって本当?
本当です!多くのお店で表示価格から20%~30%OFFの割引を実施しているため、通常お店で購入するよりもお得な買い物が可能♪
もちろん販売されている陶器の中には何千円もする高級なものもありますが、2022年の「せともの市」では500円均一の札もよく見かけられ、安いものは100円以下から販売されていました。
お手頃な価格で国産の陶器が買えるとなると、家族で、ペアでとついまとめ買いをしたくなりますね。

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■どんな陶器が買えるの?
海外製の安い陶器が手軽に買えるようになった現代ですが、「せともの市」で扱われている陶器は国産のものばかり!
2022年は、私が確認できた範囲で以下の陶器が店頭に並んでいました。

有田焼(佐賀県)、伊万里焼(佐賀県)、現川焼(長崎県/うつつがわ)、小鹿田焼(大分県/おんた)、笠間焼(茨城県)、京焼・清水焼(京都府)、九谷焼(石川県)、小石原焼(福岡県/こいしわら)、小代焼(熊本県/しょうだい)、瀬戸焼(愛知県)、鍋島焼(佐賀県)、波佐見焼(長崎県)、備前焼(岡山県)、益子焼(栃木県)、美濃焼(岐阜県)、やちむん(沖縄県)など

日本各地の有名な産地の陶器が集うため、ワンストップで異なる陶器を見比べて購入したい方にぴったり!
さらに、手書きのものから量産のものまでさまざま。
産地、価格、用途、デザインなどを決め手に、お気に入りの陶器が見つかるはず♪

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■陶器の取り扱いは?
陶器を購入する際に気になるのは、取り扱いではないでしょうか?
特に手づくりの陶器は、使用したり、洗ったりする際に、割れないように、キズがつかないようにと気をつかうものです。
「せともの市」で販売されている陶器の中には、電子レンジ対応食器洗い機対応、数は少ないながら直火OKなどと現代のニーズに即したものも見られました。
中にはとりわけ丁寧に扱う必要があるものもありますので、気になる方は購入前にお店の方に確認しましょう。

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■おすすめの買い物の仕方は?
歩道に並ぶお店は充実していますが、「せともの市」は無理なく歩いて1周できる規模です。
みなさんそれぞれの買い物の仕方があると思いますが、個人的には以下のような方法で買い物をしました。

1周目:一通りざっと見て目星をつける
2周目:目星をつけた商品が他のお店にあるか、価格に違いはあるか確認する
3周目:目星をつけた商品を最も安く提供しているお店で購入する

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陶器の場合、同じ商品が他のお店に並んでいることは少ないものの、似たような商品や同じ産地の商品がいくつものお店で取り扱われているので、何周か見て回ることで自ずと判断がしやすくなるのではないでしょうか。

■陶器以外のお店もあるの?
あります!2022年は、どちらかというと通りの北側に多く出展されていました。
江戸切子やハリオ耐熱ポットといったガラス食器、若狭塗や輪島塗などの3膳で500円のお得なお箸、お得な木製スプーン陶器の箸置き
このあたりは陶器と関係が深いことから想像がつくと思います。

その他には、包丁をはじめとする調理道具、水やお茶がまろやかになる備前玉、剣山といった華道具、手芸に使える陶玉、エプロン、い草鼻緒サンダル、ハンカチ、エコバッグなど衣類日用品まで幅広く店頭に並んでいました。

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■買い物以外の楽しみ方はあるの?
あります!人形町大観音寺前では、ろくろ体験を実施していました。
1回1作品2000円(税込)からで、絵付けも可能。
完成したら自宅に送ってくれるので便利ですよね。
夏休み中の子どもたちが体験する様子がよく見られました。

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有名な窯元まで行かなくても、こうして身近な場所でろくろ体験ができるのは嬉しいですよね。
夏休みの良い思い出になるのではないでしょうか。

お気に入りのせとものを探してみませんか?

前述の通り、私にとって初めて「せともの市」ということもあり、記念に陶器を購入することに。
今持っている食器の9.5割が洋食器なので、洋食を盛りつけてもしっくりきそうな国産陶器を探しました。
数ある陶器の中から選んだのは、美濃焼商社のみのる陶器が製造した人気シリーズAlbee(アルビー)のネイビーの小皿。
Amazonのパン皿カテゴリーではベストセラーかつ堂々の1位(2022年8月7日時点)のシリーズです!


ふるさと納税の返礼品にもなっているこちらの商品は、オンラインでは通常2枚セット660円からの販売ですが、「せともの市」では1枚440円で販売されていました。
オンラインの方がお得ではありますが、1枚だけお皿が欲しかった私には好都合。
このように実際にふれて品定めでき、単品での購入が可能なのも昔から続く陶器市ならではかもしれません。
こちらは人気商品ということもあってか割引対象ではなかったのですが、お店の方のご厚意で40円引の400円にしていただきました。ありがとうございます♪

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そして、Albeeの公式サイトに掲載されている美濃焼のお皿にのったフルーツサンドが印象的で、同日夕方早速フルーツサンド用の材料を買いに行ってきました(笑)
温室みかん、キウイフルーツ、冷凍しておいたグリーンシードレスグレープ(種がなく皮ごと食べられる緑色のぶどう)で花をイメージしたもの、グレープだけでシンプルなものの2種類を作ってみました。

断面が思ったようにいかず少々ぼかしましたが、そんな出来でもお皿にのせると映えるマジック
今後も料理をした際にはこのお皿に盛りつけ、料理も食事も楽しみたいと思います。
来年は肉じゃがや焼き魚に合う和食器を購入してみようかな、なんて今から夢が膨らみます!

おわりに

さて「第67回 せともの市」についてレポートしてまいりましたが、いかがでしたでしょうか?
来年以降「せともの市」に行こうと思っている方の参考になりましたら幸いです。
江戸時代から続く陶器市ということで、実際に私がそうであったように、古き良きデザインの陶器を思い浮かべる方も多いかもしれません。
しかし、中には可愛いもの、遊び心があるもの、モダンなものなど、実に多種多様な陶器がみなさまを待っています!

9時から20時までと開催時間が長いこともあり、開催日がすべて平日であっても、出勤前、昼休み、退勤後に立ち寄ることができます。
初めての方も、既に何度も訪れている目利きの方も楽しむことができる日本橋人形町の夏の風物詩は、これからもずっと続いてほしいものですね。

※本記事は、東京蛎浜会せともの市実行委員会のご担当者様より掲載許可をいただいております。
お忙しい中のご協力、誠にありがとうございました。