旅立ちは昔も今も日本橋
日本国内のあちらこちらを移動すると、同じ名前、同じ表記の町の存在に気づくことがままあります。
大手町(おおてまち、おおてちょう)もその一つではないでしょうか。日本各地にある城郭の大手門付近にある地名であるため、北は北海道(函館市大手町)から鹿児島県(鹿屋市大手町)まで数多く存在します。
日本橋は、と言えば・・・大阪市の日本橋が有名ですね。こちらはニッポンバシと発音しますが、大阪府大阪市中央区・浪速区の町名及び周辺の地域名称、または道頓堀川に架かる橋です。
ここで疑問なのは、「どうして大阪は”にっぽんばし”で、江戸は”にほんばし”と呼ぶのか?」
元々「日本」は、スポーツイベントの際の応援の掛け声のように「にっぽん」と発音する方が自然であると考えられます。その中で、東京の日本橋がニホンバシなのは江戸城築城の便宜の為に川に二本の丸太を架け、仮設橋としていたので、工事人夫達がいつからか「にほんばし」と呼び、それが橋の呼び名になった、との説もあるようです。
さて、日本橋については、その象徴的存在からレプリカがあることでも特筆すべきこととではないでしょうか。
一つは成田空港の国際ターミナル。これから海外に行く、或いは日本に来た方々に対する、架け橋ですね。
江戸図屏風から町の賑わいを
こちら、壁面には「江戸図屏風」よりいくつかの名所を取り上げ、江戸の街のにぎわう様子を陶板壁画にて表現しています。よく目を凝らしてみると、寛永寺、神田周辺、江戸城、日本橋、京橋、八丁堀、築地周辺などさまざまなエリアが描かれています。日本橋においては町人やかぶき者が行きかう様子、幕府のお触れを出す高札場などもしっかりと描かれています。
国際線ターミナルにおいて、時を超えて世界へのゲートウェイとして旅の起点の日本橋が描かれているのは、嬉しいことです。このターミナルから、「じゃあ今の日本橋に行ってみるか」とお客様をもっと誘導できるとさらに良いですね。