サム

2022夏 涼の演出

 2022夏 涼の演出

 7月31日、太平洋高気圧の暖気と強い陽射しの影響で、東京都心の最高気温は35℃と、7月3日以来四週間ぶりの猛暑日を記録し、今後一週間ほど、高気圧に覆われ厳しい暑さが続く見込みです。   古来日本には、猛暑を和らげる、金魚鉢、釣り忍、簾·葦簀、打ち水、行水など、五感で感じる、夏の涼を取り入れる先達の知恵があります。「風鈴」もそのひとつ。               浜離宮恩賜庭園内花木園の休憩所の軒先にはガラスの風鈴が飾られ、風を受け涼やかな音色を奏でています。          風鈴の起源は古く中国の唐の時代に遡り、占いの道具とされた「占風鐸」が日本に伝来し、当初は厄除けとして、寺院の建物などに吊るされたとされますが、次第に大衆化し、硝子製法が伝わると、ガラスの風鈴の製造が始まり、風鈴売りは虫売りなどと並んで夏の風物詩として親しまれ、俳諧では風鐸とともに夏の季語となっています。             「チリン、チリン」と軽やかに鳴る涼やかな風鈴の音色には癒されます。また、浴衣でぶらりと園内を巡る姿にも江戸の涼を感じます。