中央区地下道探検
【三越前・新日本橋編】
(キッズ向け)
ぼくの名前は阪本 賢樹(さかもと けんき)。中央区出身。中央区立紅葉川小学校(※架空の小学校)5年1組の学級委員。建設機械や鉄道、そして歴史や動物が大好きな小学生。土木(どぼく)博士と一緒に中央区をてくてく歩くのが好きなんだ。
わしの名前は土木 学(どぼく まなぶ)。中央区在住、現在73歳。以前は大学の土木工学科で学生に土木の楽しさを教えていんじゃが、65歳で退職。最近は地域の子供たちに町の歴史を教えているんじゃ。パンデミック前はボランティアで「街歩きガイド」もやってたんじゃよ。
ねえねえ、土木博士。今日は三越前から新日本橋にかけて地下道をてくてく歩いてみるよ。
お!今日も賢樹くんの名ガイドが楽しみじゃのぉ。
1944年(昭和19年) 日本橋周辺 航空写真
博士。これは昭和19年の日本橋周辺の写真だよ。
おぉ、これは面白そうな写真じゃの。わしが生まれる少し前じゃな。
博士、みてみて。東京駅の下には外堀があって、呉服橋が架かっているね。日本橋川を少し下って江戸橋を過ぎると、楓川が流れているのが見えるよ。
そうじゃの、これは貴重な写真じゃなぁ。東京オリンピックはこの写真の20年あとじゃから、首都高速はまだないんじゃな。銀座の三十間堀川も埋め立ての前なんじゃな。
自由研究のヒント:現地に行って、すぐなとなりにある2006年(平成18年)の航空写真と比べてみよう。
熈代勝覧(きだいしょうらん)絵巻
博士、この絵は熈代勝覧(きだいしょうらん)と言って、江戸時代後期、文化2年(1805年)頃の日本橋から今川橋の様子が描かれてるんだよ。
ほう。今回もよく調べとるのぉ。誰の作品じゃ?
それがね、まだわからないんだってさ。ドイツのベルリン自由大学のキュステル教授夫妻が、親戚の屋根裏部屋で見つけてたんだって。それよりも前のことはわかってないんだって。でね、2000年にベルリンで初めて公開されて、2003年には江戸東京博物館でも公開されたんだって。今は、ベルリン国立アジア美術館にあるんだって。
ほう、ではこれは複製画じゃな?
うん。日本橋の地域の人たちが頑張ったおかげで、2009年から1.4倍サイズの複製画がこの場所に展示されてるんだよ。
自由研究のヒント:実際に三越前駅の地下道に行って、熈代勝覧(きだいしょうらん)に描かれている、店、橋、人、動物などを探してみよう!
地下道だけど日が差してるよ
博士、ここは地下道なんだけど、日が差してるよ。
三越前駅のA9番出口付近じゃな。ここには島根県・海士町観光協会が運営している、離島百貨店があって、わしもたまに遊びにくるんじゃよ。日本各地の島々から取り寄せた珍しい食べ物や飲み物を見てるだけで楽しいんじゃ。
自由研究のヒント:実際に離島百貨店に行って、どんなモノが売られているか確認してみよう!
新日本橋駅へ
博士、東京メトロの三越前駅はJRの新日本橋駅につながっているんだよ。新日本橋駅は50年前の1972年7月15日に開業したんんだって。
わしが若い頃には、臨時の快速電車「青い海」が館山方面へ、「白い砂」が勝浦方面へ夏の間だけ走っていたんじゃ。懐かしいのぉ。
駅の数だけ、発見がある。
博士、ここには駅のスタンプがあるよ。せっかくだからノートに押してみるね。これは「橋」という漢字だよね。
そうじゃ。JR東日本の駅のスタンプは2020年に17年ぶりにリニューアルされたんじゃ。「駅名の漢字一文字」と「駅周辺の歴史や特徴」をスタンプで表現しているそうじゃ。
じゃ、このスタンプに書かれている橋は「日本橋」だね。
自由研究のヒント:実際に新日本橋駅でスタンプを押してみよう。東京駅や馬喰町駅、八丁堀駅にもスタンプがあるので探して押してみよう。
昭和通りに出てきたよ
博士、新日本橋駅5番出口から地上にでたよ。これは昭和通りだよね。
そうじゃな。昭和通りは関東大震災の復興事業として1928年に建設された道路じゃ。さっき見た1944年の写真にも首都高速が出来るまでの昭和通りがはっきり写っていたのぉ。
へぇ。昭和通りは、けっこう古くからあるんだね。博士、今回はこれでおしまいだよ。この地下道も夏休みの自由研究第二弾として書いてみるよ。
それはいい考えじゃな。大作を期待しとるぞ。
暑中お見舞い申し上げます
こんにちは、特派員の「たけちゃん」です。今回もキッズ向けに書いてみました。前回に引き続き地下道をテーマに選んだみました。今回のコースは短いですが、見所は多いですよ。
まだまだ暑い日が続いていますが、地下道は熱中症にもかかりにくいので、お子さんの自由研究の候補として一緒に歩いてみてはいかがですか?
あ、もちろん、阪本 賢樹くん、土木博士は架空の人物です。実在の人物とは一切関係ありません。