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東海道中膝栗毛 弥次喜多流離譚-八月納涼歌舞伎

 歌舞伎の大ファンです。滅紫さんのブログを毎月楽しみにしています。私は8月第三部を24日に見ました。

「東海道中膝栗毛 弥次喜多流離譚(やじきたリターンズ)」は、歌舞伎の古典から映画、ミュージカルなど様々なジャンルのエンタメ作品のパロディを盛り込みながら、歌舞伎座の興行の窮状を伝え、再生を目指すという物語。

 筋立ては、奇想天外だが、場面ごとはとても面白く工夫されている。役者たちの台詞や踊りや伴奏音楽が素晴らしかった。4人そろっての宙乗り、本水での大滝の立廻りなど見逃せない場面の連続。

 江戸木挽町の歌舞伎座で、大道具のアルバイトをしている弥次郎兵衛と喜多八。二人は一攫千金を夢見てお伊勢参りに出発し、旅の途中で出会った若侍の梵太郎と供侍の政之助を道連れに、ラスベガスへ行ったり、殺人事件を推理したり、地獄へ行ったりとさまざまな騒動を巻き起こし、ピンチを切り抜けてきた。伊勢神宮の花火で天高く打ち上げられてしまった二人だったが、あれから3年。

 弥次喜多の二人は遠く離れた無人島に飛ばされ、何とか生き延びてきた。あの手この手で長崎に渡り着き、古巣である歌舞伎座の苦境を知り、歌舞伎座に戻るため、多くの人に出会い、立ちはだかる試練を乗り越えながら、新たな珍道中を繰り広げていく。


 市川染五郎と市川團子がコロナ感染のため、代役(市川猿弥・中村隼人)になったが、演技も踊りも素晴らしかった。主役級の役者が次々とコロナに罹患し、最高で7人の代役での上演となった。

 

 宙乗りが2回、92歳の市川寿猿が後進の世代へのメッセージを読み上げ、ジーンとさせ、宙乗りで天に去っていく場面と、ラストシーンでの幸四郎・猿之助・猿弥・隼人4人の宙乗り。