【銀座六丁目】小道が誘うスペインへの扉「しぇりークラブ」 by いのちゃん

2023.1.28 15:00

【銀座六丁目】小道が誘うスペインへの扉「しぇりークラブ」

中央区立泰明小学校のフランス門の向かいから南西にのびる泰明通り。みゆき通りと交詢社通りをつなぐわずか100メートルほどのこの小道には街ゆく人を誘（いざな）うように個性的な飲食店が軒を連ねています。

豊富な品揃えのシェリー酒とともにスペイン料理を提供する日本で初めてのシェリー酒専門店、しぇりークラブもそのひとつです。今回は泰明通りからスペインへと旅をしてみます。

シェリー酒について

フラメンコ発祥の地として知られるスペイン南部の街、へレス・デ・ラ・フロンテーラ。シェリー酒（sherry）はアンダルシア地方にあるこの街とその周辺地域で生産されているため、現地の言葉では「ビノ・デ・ヘレス（へレスのワイン）」と呼ばれています。

へレス大聖堂
Photo by Will / CC BY-SA 2.0, from Wikimedia Commons

シェリー酒は白ワインに少量のブランデーを添加した酒精強化ワイン（fortified wine）で、ポルトガルのポートワイン、マデイラ・ワインと並ぶ世界三大酒精強化ワインとされています。お酒に詳しくない私でもいずれも耳にしたことがある名前でした。

酒精強化ワインは気温が高く温度管理が難しいイベリア半島などの地域で、酸化や腐敗を防ぎ保存性を高めると同時に味わいに個性を持たせるために工夫されたワインです。日本でいうところの継ぎ足しのような独特なシステムで熟成させていくシェリー酒には古酒の持つ深い味わいがよく現れているのだそうです。

しぇりークラブの楽しみ方

しぇりークラブでは多種多様なシェリー酒をグラス一杯から試すことができます。

この日は入門編として、3種の飲み比べができるテイスティングセットをオーダーしました（トップ画像）。

写真左より、すっきりとした辛口の“マンサニージャ”から「ラヒターナ」、香り高くこくの深い“オロロソ”から「バルバディージョオロロソ」、シェリー同士をブレンドして造る甘口の“ミディアム”から「ラプラサビエハ」という具合に、シェリー酒のカテゴリごとに一杯ずつお店の方に選んでいただきました。

タイプの異なる3つのグラスを並べると、その色あいからも味の特徴が見えてくるようです。

45種類のグラスシェリーのチャートが載っているこのリストは、氏名を記入してお店に預けておけば、これまでに飲んだ銘柄がわかる自分だけのカルテとなります。およそ200種類のシェリー酒から厳選されたラインナップは毎年入れ替わるので、確かな記録を残しておくことで、訪れるたびに新しい一杯との出会いが期待できますね。